令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問10を解説|TEF(毒性等価係数)
令和7年度 ダイオキシン類概論 問10は、JIS K 0311(2020)に定めるTEF(毒性等価係数)に関する正誤問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
TEFは、各異性体の毒性を最も強い2,3,7,8-TeCDD(TEF=1)を基準に相対値で表した係数です。実測濃度にTEFを掛けて足し合わせ、毒性等量(TEQ)を求めます。コプラナーPCBsでは、平面構造をとりやすくダイオキシン類に近い毒性を示すノンオルト体のほうが、オルト位に塩素を持つモノオルト体よりTEFが大きくなります。引っかけの核心は選択肢(4)で、この大小を逆(モノオルト体のほうが大きい)に述べている点です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 2,3,7,8位が塩素で置換されたものにTEFが与えられます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 1,2,3,7,8-PeCDDのTEFは2,3,7,8-TeCDDと同じです。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | OCDDのTEFは1,2,3,4,6,7,8-HpCDDより小さいです。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | TEFはノンオルト体のほうがモノオルト体より大きいです。大小が逆で誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | TEFが与えられるのはPCDDs7種類、PCDFs10種類、コプラナーPCBs12種類です。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
コプラナーPCBsのうち、オルト位(2,2′,6,6′位)に塩素を持たないノンオルト体は、2枚のベンゼン環がねじれずに平面に近い形をとり、ダイオキシン類に似た毒性を強く示します。一方、オルト位に塩素を1個持つモノオルト体は、その塩素が立体的に邪魔をして平面性が下がり、毒性は相対的に弱まります。したがってTEFはノンオルト体>モノオルト体です。選択肢(4)は「モノオルト体のTEFはノンオルト体より大きい」として、この大小を逆に述べている点が誤りです。
覚え方
- TEFの基準は2,3,7,8-TeCDD=1。掛けて足すとTEQ。
- コプラナーPCBsのTEFはノンオルト体>モノオルト体。
- TEF付与数はPCDDs7・PCDFs10・コプラナーPCBs12。
理解度チェック
Q.
ノンオルト体とモノオルト体でTEFが大きいのは?
ノンオルト体です。平面性が高く、ダイオキシン類に近い毒性を示します。
Q.
TEFの基準となる異性体は?
最も毒性が強い2,3,7,8-TeCDDで、そのTEFを1とします。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月