令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問1を解説|土壌中ダイオキシン類の測定方法
令和7年度 ダイオキシン類概論 問1は、環境基準に定める土壌中ダイオキシン類の測定方法に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の環境基準に付随する測定方法は、試料を溶媒で抽出し、超微量の異性体まで分けて量れる高分解能の分析計にかけて定量する、という流れで決まっています。土壌試料であればソックスレー抽出で溶かし出し、そのうえで高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)で測定します。引っかけの核心は、この「測定に使う装置」の名前です。下線部では装置名を透過電子顕微鏡とすり替えており、これは物質の毒性等価量を量る機器ではないため誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 土壌試料は前処理としてソックスレー抽出でダイオキシン類を溶媒に移します。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 微量の異性体を分離定量するため高分解能の分析を用いる点は正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 測定に用いるのはガスクロマトグラフ質量分析計です。「透過電子顕微鏡」とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | PCDFs等とコプラナーPCBsをそれぞれ測定する対象とする点は正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 2種類以上のキャピラリーカラムを併用して測定する点は正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は異性体ごとに毒性の強さが大きく違うため、測定では「どの異性体がどれだけあるか」を分けて量る必要があります。これを担うのが、成分を分離するガスクロマトグラフと、微量成分の質量を高い分解能で読み取る質量分析計を組み合わせた高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)です。一方の透過電子顕微鏡は、物質の微細な形や構造を拡大して観察する装置であり、個々の異性体を分離してその量を求めることはできません。下線部は測定機器の名前をこの観察用装置に置き換えている点が誤りです。
覚え方
- ダイオキシン類の定量は抽出→クリーンアップ→高分解能GC/MSの流れ。
- 「量る」のはGC/MS。電子顕微鏡は「見る」装置で定量には使わない。
- 土壌の抽出はソックスレー抽出が基本。
理解度チェック
土壌中ダイオキシン類の定量に使う分析機器は?
高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)です。異性体を分離しながら微量成分を量ります。
透過電子顕微鏡でダイオキシン類の量は測れる?
測れません。微細構造を観察する装置で、異性体を分離して定量する用途には使いません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月