令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問11を解説|縮合反応と前駆体
令和6年度 ダイオキシン類概論 問11は、ダイオキシン類が生成する縮合反応の反応式で、(X)に入る有機塩素化合物を問う問題です。正しいものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類(PCDD)が前駆体からつくられる代表的な経路が、2分子のクロロフェノールが縮合して2つのベンゼン環が酸素2個で橋かけされる反応です。ここで塩化水素などが外れて環がつながり、ジベンゾ-パラ-ジオキシンの骨格ができます。分かれ目は、(X)がクロロフェノール(水酸基OHをもつ)かどうかです。選択肢にはクロロベンゼンやクロロビフェニルも並びますが、この縮合でPCDDを与える前駆体はフェノール類に限られます。さらに生成物の塩素の位置と数に合うのは2,3,4,5-テトラクロロフェノールで、これが(X)に入ります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(正しい化合物)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1,2,3-トリクロロベンゼン。水酸基のないクロロベンゼンで、この縮合の前駆体になりません。 |
| (2) | ×(誤り) | 1,2,3,4-テトラクロロベンゼン。こちらもクロロベンゼンで、前駆体になりません。 |
| (3) | ×(誤り) | 2,3,4-トリクロロフェノール。クロロフェノールですが、塩素の数・位置が生成物と合いません。 |
| (4) | ○(正しい) | 2,3,4,5-テトラクロロフェノール。水酸基をもつクロロフェノールで、塩素の位置も生成物に合致します。 |
| (5) | ×(誤り) | 2,3,4,5-テトラクロロビフェニル。ビフェニル骨格で、このPCDD生成の前駆体になりません。 |
選択肢(4)のポイント(ここが正しい)
この反応は、2つのクロロフェノールがそれぞれの水酸基(OH)と、隣り合う炭素上の塩素を使って結びつき、2個の酸素で2つの環を橋かけしてジベンゾ-パラ-ジオキシン骨格をつくる縮合です。したがって、水酸基をもたないクロロベンゼンやクロロビフェニルは前駆体になりません。ここでまず(1)(2)(5)が外れます。残るクロロフェノールのうち、生成するPCDDに付いている塩素の数と位置に合致するのは2,3,4,5-テトラクロロフェノールで、トリクロロフェノールでは塩素が足りません。前駆体経路は「クロロフェノール2分子の縮合」と押さえておくと、まずベンゼン・ビフェニル系を確実に消去できます。
覚え方
- PCDDの前駆体縮合はクロロフェノール2分子が結合。前駆体はフェノール類。
- クロロベンゼン・クロロビフェニルは前駆体にならない(水酸基がない)。
- 塩素の数・位置は生成物に合わせる(ここでは2,3,4,5-テトラクロロフェノール)。
理解度チェック
PCDDの縮合反応で前駆体になるのはどんな化合物?
クロロフェノール(水酸基OHをもつ)です。2分子が縮合して2個の酸素で環が橋かけされ、ダイオキシン骨格ができます。
クロロベンゼンはこの縮合の前駆体になる?
なりません。水酸基をもたないため、酸素で橋かけする縮合の前駆体になりません。クロロビフェニルも同様です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月