令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問10を解説|毒性等価係数
令和6年度 ダイオキシン類概論 問10は、示された5つのダイオキシン類のうち毒性等価係数(TEF)が最も大きいものを選ぶ問題です。正しいものを1つ選びます。
この問題のポイント
毒性等価係数(TEF)は、最も毒性の強い2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)の毒性を1として、各異性体の相対的な毒性の強さを表した係数です。TEQ(毒性等量)はこのTEFを実測濃度に掛けて合計して求めます。選択肢のうちTEFが最も大きいのは、コプラナーPCBの一種である3,3′,4,4′,5-PeCB(PCB126)で、TEFは0.1です。引っかけは、塩素数の多いヘプタ体(HpCDD・HpCDF)を「塩素が多いほど毒性も強い」と思い込ませる点ですが、これらのTEFは0.01と小さく、毒性の強さは塩素の数ではなく置換位置で決まります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(TEFが最も大きい)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 1,2,3,4,6,7,8-HpCDD。TEFは0.01と小さく、最大ではありません。 |
| (2) | ×(誤り) | 1,2,3,7,8-PeCDF。TEFは0.03で、選択肢(4)より小さい値です。 |
| (3) | ×(誤り) | 1,2,3,4,7,8,9-HpCDF。TEFは0.01と小さく、最大ではありません。 |
| (4) | ○(正しい) | 3,3′,4,4′,5-PeCB(PCB126)。TEFは0.1で、選択肢中で最も大きい値です。 |
| (5) | ×(誤り) | 3,3′,4,4′,5,5′-HxCB(PCB169)。TEFは0.03で、選択肢(4)より小さい値です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが正しい)
毒性の強さは塩素の「数」ではなく「付く位置」で決まります。ダイオキシン類で毒性が強いのは、特定の位置(2,3,7,8位など)に塩素をもち、分子が平面的に並んで受容体に結合しやすいものです。3,3′,4,4′,5-PeCB(PCB126)はコプラナーPCBの中でも毒性が強く、TEFは0.1で選択肢中の最大です。一方、塩素数の多いヘプタ体(HpCDD・HpCDF)はTEFが0.01にとどまり、「塩素が多い=毒性が強い」という思い込みは誤りです。TEFはTEQを計算するときの重みであり、値の大きいものほど少量でも毒性への寄与が大きい、と理解します。
覚え方
- TEFは2,3,7,8-TCDDを1とした相対毒性の重み。TEQ=TEF×濃度の合計。
- 毒性の強さは塩素の数でなく置換位置で決まる。ヘプタ体は0.01と小さい。
- コプラナーPCBのPCB126(3,3′,4,4′,5-PeCB)はTEFが大きい(0.1)。
理解度チェック
毒性等価係数(TEF)で基準(値1)とされる物質は?
2,3,7,8-四塩化ジベンゾ-パラ-ジオキシン(2,3,7,8-TCDD)です。これを1として各異性体の相対毒性を表します。
塩素の数が多いほどTEFは大きい?
いいえ。毒性の強さは塩素の付く位置で決まります。塩素数の多いヘプタ体でもTEFは0.01と小さい値です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月