令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問8を解説|水への排出寄与
令和6年度 ダイオキシン類概論 問8は、2021(令和3)年のダイオキシン類の排出インベントリーで、水への排出の寄与が最も大きい施設を問う問題です。5つの施設から1つを選びます。
この問題のポイント
問7の大気とは別に、この問題は水(公共用水域など)への排出寄与を尋ねています。大気と水では主要な排出源が異なる点が要注意です。水への排出で寄与が最も大きいのは塩ビモノマー(塩化ビニルモノマー)製造施設です。塩素を扱う化学製造工程では、その反応や排水処理の過程でダイオキシン類が生じて排水に移りやすいためです。引っかけは、焼却施設や下水道終末処理施設のような身近で大規模な施設を選ばせようとする点ですが、水への寄与では化学製造施設が上位に来ます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(寄与が最も大きい施設)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 産業廃棄物焼却施設。焼却は主に大気側の排出源で、水への寄与が最大ではありません。 |
| (2) | ○(正しい) | 塩ビモノマー製造施設。塩素を扱う製造工程からの排水を通じ、水への排出寄与が最も大きい施設です。 |
| (3) | ×(誤り) | パルプ製造漂白施設。かつて塩素漂白で問題になりましたが、水への寄与が最大の施設ではありません。 |
| (4) | ×(誤り) | カプロラクタム製造(塩化ニトロシル使用)施設。発生施設ではありますが、水への寄与が最大ではありません。 |
| (5) | ×(誤り) | 下水道終末処理施設。多様な排水が集まりますが、水への寄与が最大の施設ではありません。 |
選択肢(2)のポイント(ここが正しい)
ダイオキシン類は塩素と有機物が関わる反応で生じるため、塩素を大量に扱う化学製造工程は水域への重要な排出源になります。塩化ビニルの原料である塩ビモノマーの製造では、塩素化の反応やその後の処理でダイオキシン類が副生し、排水に含まれて水域へ移りやすいのが特徴です。2021年のインベントリーでは、この塩ビモノマー製造施設が水への排出寄与で最大とされています。焼却施設は大気側の主要な排出源であり、水への寄与でこれらを選ぶのは誤りです。「大気は金属・焼却、水は塩素系化学製造」という排出源の違いを押さえておきます。
覚え方
- 水への排出寄与が最大は塩ビモノマー製造施設。
- 大気は金属・焼却、水は塩素系の化学製造が主役、と媒体で分けて覚える。
- 塩素を大量に扱う工程は水域への排出源になりやすい。
理解度チェック
2021年、水への排出寄与が最も大きい施設は?
塩ビモノマー(塩化ビニルモノマー)製造施設です。塩素を扱う製造工程の排水を通じて排出されます。
焼却施設は水への排出寄与が最大?
いいえ。焼却施設は主に大気側の排出源です。水への寄与では塩素系の化学製造施設が上位に来ます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月