令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問13を解説|デノボ合成
令和5年度 ダイオキシン類概論 問13は、デノボ合成によるダイオキシン類の生成に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
デノボ合成は、燃焼後の比較的低い温度域(およそ200~400℃)で、粒子状炭素などを原料に、銅化合物やフライアッシュ(飛灰)を触媒としてダイオキシン類が新たに作られる反応です。この温度域の存在が、燃焼炉の後段でダイオキシン類が生じる理由になっています。核心は、生成の量的なスケールです。デノボ合成では粒子状炭素から多くの有機塩素化合物が同時に作られますが、そのうちダイオキシン類として生成するのはごくわずかにとどまります。選択肢は「粒子状炭素の約1%がダイオキシン類になる」としていますが、約1%になるのは有機塩素化合物全体であって、ダイオキシン類はそのさらに一部にすぎない点が引っかけどころです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 触媒存在下、粒子状炭素などから約200~400℃で生成する、という条件は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 銅化合物やフライアッシュ(飛灰)が強い触媒能を示す、という記述は正しいです。 |
| (3) | ○(正しい) | 銅化合物の中で最も活性が高いのは塩化銅(Ⅱ)(CuCl₂)で、正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 多くの有機塩素化合物が同時に生成する、という記述も正しいです。 |
| (5) | ×(誤り) | 約1%になるのは有機塩素化合物全体で、ダイオキシン類はそのごく一部。1%がすべてダイオキシン類とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
デノボ合成では、粒子状炭素からベンゼン環を含むさまざまな塩素化合物が一度にできあがります。このとき、粒子状炭素のおよそ1%が有機塩素化合物(塩素化芳香族化合物)全体に変わるとされますが、そのなかでダイオキシン類にまで至るのは、さらにそのごく一部です。選択肢(5)は、この約1%をまるごとダイオキシン類に置き換えており、生成する量を実際よりはるかに多く見せている点が誤りです。「1%=有機塩素化合物全体、ダイオキシン類はその一部」という量の階層を取り違えないことが、この選択肢を見抜くカギになります。
覚え方
- デノボ合成は約200~400℃で粒子状炭素から生成。触媒は銅化合物・飛灰。
- 最も活性が高い銅化合物は塩化銅(Ⅱ)CuCl₂。
- 約1%になるのは有機塩素化合物全体。ダイオキシン類はそのごく一部。
理解度チェック
デノボ合成が起こる温度域と主な触媒は?
およそ200~400℃の温度域で、銅化合物やフライアッシュ(飛灰)が触媒として働きます。とくに塩化銅(Ⅱ)の活性が高いとされます。
粒子状炭素の約1%になるのは何?
有機塩素化合物全体です。ダイオキシン類になるのは、そのなかのごく一部にすぎません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月