令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問10を解説|蒸気圧
令和5年度 ダイオキシン類概論 問10は、ダイオキシン類の蒸気圧に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
蒸気圧は、その物質がどれだけ気体になりやすいかを表します。ダイオキシン類では、分子量が大きく(塩素の多い)化合物ほど蒸気圧は小さくなり、揮発しにくくなります。押さえどころは、その下がり方の桁です。分子量の大きいOCDD(八塩素体)の蒸気圧は、分子量の小さいTeCDDsやTeCDFs(四塩素体)に比べて桁違いに小さくなり、その開きは2桁ではおさまりません。選択肢はこの差を「約2桁小さい」と控えめに書いていますが、実際にはもっと大きく開くため、この桁の見積もりが引っかけどころになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 蒸気圧は分子量の増加とともに減少する、という向きは正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | OCDDとTeCDD類の蒸気圧の差は2桁ではおさまらず、より大きく開きます。約2桁とする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | コプラナーPCBsの蒸気圧がPCDDs・PCDFsより高い、という比較は正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 四塩素化物・五塩素化物の蒸気圧の水準を示す部分は正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 七塩素化物になるとさらに蒸気圧が下がる、という向きは正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
塩素が多く分子量の大きい化合物ほど、分子どうしが引き合う力が強く気体になりにくいため、蒸気圧は大きく下がります。八塩素体のOCDDと四塩素体のTeCDDs・TeCDFsを比べると、蒸気圧は2桁どころではなく、およそ4桁ほども小さくなるほどの大きな開きがあります。選択肢(2)はこの差を「約2桁小さい」と実際より小さく見積もっており、桁の大きさが現実と食い違う点が誤りです。減少する向き(分子量が大きいほど蒸気圧は小さい)そのものは正しいので、方向ではなく差の桁を数値として点検するのがこの選択肢の見抜き方です。
覚え方
- 蒸気圧は分子量が大きいほど小さい(揮発しにくい)。
- OCDDとTeCDD類の差は2桁ではきかず、およそ4桁もの大きな開き。
- コプラナーPCBsの蒸気圧はPCDDs・PCDFsより高め。
理解度チェック
ダイオキシン類の蒸気圧は分子量とどう関係する?
分子量が大きい(塩素が多い)ほど蒸気圧は小さくなり、揮発しにくくなります。
OCDDとTeCDD類の蒸気圧の差はどのくらい?
2桁では収まらず、およそ4桁ほども開くほど、OCDDの蒸気圧のほうが大幅に小さくなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月