令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問7を解説|排出インベントリー(水への排出)
令和5年度 ダイオキシン類概論 問7は、2020(令和2)年のダイオキシン類の排出インベントリーのうち、水への排出とその主要排出源に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
排出インベントリーでは、ダイオキシン類の大部分は大気へ排出され、水への排出は全体のごくわずかな割合で寄与が小さいことが押さえどころです。水への主要な排出源としては、パルプ製造の漂白施設や塩ビモノマー製造施設、アセチレン製造の施設などが挙げられます。下線部問題では、この寄与率の大小や排出源の書きぶりのどこか1か所が本来と違えられています。とくに、水へ出てくる工程は排水を伴う湿式のプロセスである点が引っかけどころで、乾式か湿式かといった工程の種類の書き換えに注意が必要です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 大気と水を合わせた推計排出量の水準を示す部分は、報告どおりの記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 水への排出は割合が小さく、相対的な寄与率は小さいという向きは正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 水への主要排出源の書きぶりで、工程の種類が本来とずれている点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | パルプ製造漂白施設や塩ビモノマー製造施設を挙げる部分は正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 産業系が水への主要排出源であるという枠組みは、報告どおりの記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
水へダイオキシン類が出てくるのは、工程で水を使い、排水を出すプロセスからです。アセチレン製造でいえば、水を用いて反応させる湿式のプロセスが排水を伴い、水への排出源として挙がります。選択肢(3)は、この工程の種類を乾式であるかのように書き換えており、排水が生じる向きと食い違ってしまう点が誤りです。水への排出は全体から見ればわずかな寄与ですが、その少ない排出がどの工程から出るのかを問う設問で、乾式・湿式という言葉の入れ替えに気づけるかが分かれ目になります。
覚え方
- ダイオキシン類は大部分が大気へ、水への排出は寄与が小さい。
- 水への排出源は排水を伴う工程——湿式のプロセスがカギ。
- 下線部問題は乾式/湿式など工程の種類の入れ替えを疑う。
理解度チェック
ダイオキシン類の水への排出は、全体の中でどう位置づけられる?
大部分は大気へ排出され、水への排出は割合が小さく、相対的な寄与率は小さいと位置づけられます。
水への排出源として工程の種類が問われるとき、何に注目する?
排水を伴う湿式のプロセスかどうかに注目します。乾式・湿式の言葉の入れ替えが誤りの作り方になりやすいためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月