令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問8を解説|略号と分子式
令和5年度 ダイオキシン類概論 問8は、ダイオキシン類の略号とその分子式の組合せに関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の分子式は、骨格に酸素が何個あるかと、水素が塩素で何個置き換わっているかで決まります。核心は骨格の酸素の数です。ジベンゾ-パラ-ジオキシン(PCDDs)は二つの酸素で二つのベンゼン環を橋渡しした骨格で酸素は2個、これに対しジベンゾフラン(PCDFs)は酸素が1個だけの骨格です。選択肢に並ぶOCDF(オクタクロロジベンゾフラン)は、フランの仲間なので酸素は1個で分子式はC12Cl8O のはずですが、酸素を2個としてC12Cl8O2と書いている点が引っかけどころです。塩素の数(置換数)は合っていても、骨格の酸素の数が違えば誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 2,3,7,8-TeCDDは酸素2個・塩素4個で、C12H4Cl4O2は正しい組合せです。 |
| (2) | ○(正しい) | 1,2,3,6,7,8-HxCDDは酸素2個・塩素6個で、C12H2Cl6O2は正しい組合せです。 |
| (3) | ×(誤り) | OCDFはフランなので酸素は1個。C12Cl8Oが正しく、O2としている点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 3,3′,4,4′,5-PeCBはビフェニル骨格・塩素5個で、C12H5Cl5は正しい組合せです。 |
| (5) | ○(正しい) | 2,3,3′,4,4′,5,5′-HpCBはビフェニル骨格・塩素7個で、C12H3Cl7は正しい組合せです。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
OCDF(1,2,3,4,6,7,8,9-オクタクロロジベンゾフラン)は、名前の「フラン」が示すとおりジベンゾフランを骨格に持ちます。ジベンゾフランは酸素が1個で二つのベンゼン環をつないだ構造で、酸素を2個持つジオキシンとはここが決定的に違います。8個すべての水素が塩素で置き換わったオクタクロロ体なので、正しい分子式はC12Cl8O です。選択肢(3)はこれをC12Cl8O2と、酸素を1個多く書いており、フランとジオキシンの骨格を取り違えている点が誤りです。「フランは酸素1個、ジオキシンは酸素2個」という骨格の違いを覚えておけば、塩素数に気を取られずに見抜けます。
覚え方
- 骨格の酸素はフラン=1個、ジオキシン=2個。ここで分子式が分かれる。
- 炭素はいずれもC12。ビフェニル(PCB)は酸素なし。
- 塩素の置換数だけ合っていても、酸素の数が違えば誤り。
理解度チェック
ジベンゾフランとジベンゾ-パラ-ジオキシンの骨格の違いは?
骨格の酸素の数が違います。フランは酸素1個、ジオキシンは酸素2個です。
OCDF(オクタクロロジベンゾフラン)の正しい分子式は?
C12Cl8Oです。フランなので酸素は1個で、C12Cl8O2ではありません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月