令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類概論 問1を解説|土壌中ダイオキシン類の測定方法
令和2年度 ダイオキシン類概論 問1は、環境基準に定める土壌中ダイオキシン類の測定方法に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の環境基準に付随する測定方法は、試料を溶媒で抽出し、超微量の異性体まで分けて量れる高分解能の分析計にかけて定量する、という流れで決まっています。土壌試料であればソックスレー抽出で溶かし出し、そのうえで高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)で測定します。引っかけの核心は「測定に使う装置の名前」です。下線部では装置名を高分解能ガスクロマトグラフとだけ書き、成分の質量を読み取る質量分析計の部分が抜けているため、装置の記述として誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 土壌試料は前処理としてソックスレー抽出でダイオキシン類を溶媒へ移します。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 測定に用いるのは高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計です。「質量分析計」を欠き「高分解能ガスクロマトグラフ」のみとする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | ポリ塩化ジベンゾフラン等をそれぞれ測定対象とする点は正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | コプラナーポリ塩化ビフェニルをそれぞれ測定対象とする点は正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 2種類以上のキャピラリーカラムを併用して測定する点は正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は異性体ごとに毒性の強さが大きく違うため、測定では「どの異性体がどれだけあるか」を分けて量る必要があります。これを担うのが、成分を分離するガスクロマトグラフと、微量成分の質量を高い分解能で読み取る質量分析計を組み合わせた高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)です。ガスクロマトグラフだけでは成分を分けられても、個々の異性体の量まで確定させることはできません。下線部は装置名から質量分析計の部分が抜けている点が誤りです。
覚え方
- ダイオキシン類の定量は抽出→クリーンアップ→高分解能GC/MSの流れ。
- 「分ける」のはガスクロマトグラフ、「量る」のは質量分析計。両方セットでGC/MS。
- 土壌の抽出はソックスレー抽出が基本。
理解度チェック
土壌中ダイオキシン類の定量に使う分析機器の正式な呼び名は?
高分解能ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)です。ガスクロマトグラフと質量分析計を組み合わせています。
ガスクロマトグラフだけで異性体の量は確定できる?
できません。成分を分けることはできても、質量分析計で質量を読み取ってはじめて微量異性体を定量できます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類概論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月