令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問10を解説|アルミニウム合金溶解炉
令和7年度 ダイオキシン類特論 問10は、アルミニウム合金製造に用いる前炉付き溶解炉に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
前炉付き溶解炉は、燃焼室(加熱室)とつながった前炉にスクラップを投入して酸化を抑えつつ溶かし、保持炉ではフラックスや塩素ガスで介在物やアルカリ土類金属を取り除きます。原料の種類、酸化防止のための投入位置、フラックスの役割、排ガスをバグフィルターや電気集じんで処理する点は正しい知識です。引っかけの核心は運転方式で、この炉は原料の装入・溶解・出湯を繰り返す回分的な運転であり、「連続システムでバーナーも連続運転」と言い切る点が実態と合いません。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 原料にアルミニウムスクラップ・地金・再生塊を用いるのは正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 酸化を防ぐため、スクラップを溶湯と連通する前炉に投入するのは正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 装入・溶解・出湯を繰り返す回分的な運転であり、「連続システムでバーナーも連続運転」と言い切る点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 保持炉でフラックスや塩素ガスを使い、介在物やアルカリ土類金属を除くのは正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 燃焼系の排ガスをバグフィルターや電気集じん装置で処理するのは正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
前炉付き溶解炉は、原料を装入して溶かし、溶湯を取り出すという工程を繰り返す回分(バッチ)的な運転が基本で、装入や出湯のたびに操業状態が変わります。選択肢(3)は、これを「連続システムであり、バーナーも溶湯温度を保つために連続運転される」と言い切っており、操業の実態と合いません。溶湯の温度管理そのものは行いますが、炉全体を連続運転のプロセスと決めつける点が誤りです。原料の投入位置(前炉)やフラックスの役割は正しく述べられているため、運転方式の言い切りが唯一の分かれ目になります。
覚え方
- 前炉付き溶解炉は回分的な運転。連続システムと言い切らない。
- スクラップは酸化防止のため溶湯と連通する前炉に投入。
- 保持炉のフラックス・塩素ガスは介在物やアルカリ土類金属の除去用。
理解度チェック
Q.
前炉付き溶解炉の運転は連続と回分のどちら寄り?
回分(バッチ)的です。装入・溶解・出湯を繰り返します。
Q.
スクラップを前炉に投入する狙いは?
アルミニウムの酸化を防ぐためです。溶湯と連通する前炉に入れます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月