令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問9を解説|亜鉛回収施設とダイオキシン類排出
令和7年度 ダイオキシン類特論 問9は、亜鉛回収施設からのダイオキシン類の排出に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
亜鉛回収では、原料の電気炉ダストに含まれる塩素とダイオキシン類がカギになります。炉内で高温にすれば熱分解で減り、酸化性の雰囲気でも減りますが、冷える過程では逆に再合成が進みます。引っかけの核心は、炉出口での「ガスの冷却」を排ガス中濃度が低い理由として挙げている点で、ゆっくり冷える過程はむしろ再合成を招く要因です。高温分解・酸化と、冷却による再合成を混同させるのが狙いです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 電気炉ダスト中のダイオキシン類が乾式炉で十分に分解されず、一部が排ガスに出るのは正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | ダストに塩素が含まれ、処理工程で新たに生成しうるのは正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 「炉出口でのガスの冷却」は再合成を促す要因で、濃度が低い理由として挙げるのは誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 電熱蒸留炉は高温であり、排ガス中のダイオキシン類濃度が極めて低いのは正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 酸化性雰囲気の精製炉は、還元炉より排ガス中濃度が低いのは正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は、いったん高温で分解されても、排ガスが数百度の温度域をゆっくり通ると再び合成される(デノボ合成など)性質があります。選択肢(3)は、ロータリーキルン式還元炉の排ガス中濃度が低い要因として、炉内の高温処理・炉上部での酸化に加えて炉出口でのガスの冷却を挙げています。しかし、ゆっくり冷える過程はむしろ再合成を進める向きに働くため、これを濃度が低い理由に挙げるのは誤りです。濃度を下げたいなら、再合成の温度域を素早く通過させる急冷が有効で、単なる「冷却」とは意味が異なります。高温分解・酸化は濃度を下げ、緩やかな冷却は濃度を上げうる、と向きを分けて押さえます。
覚え方
- 濃度を下げる=高温分解・酸化・急冷。ゆっくり冷やすと再合成で増える。
- ダストの塩素が処理工程で新たな生成源になりうる。
- 酸化性雰囲気の炉は還元炉より排ガス中濃度が低い。
理解度チェック
排ガスがゆっくり冷える過程でダイオキシン類はどうなる?
再合成が進んで増えうるため、単なる冷却は濃度を下げる理由になりません。急冷なら再合成を抑えられます。
酸化性雰囲気の精製炉と還元炉、排ガス中濃度が低いのは?
酸化性雰囲気の精製炉のほうが低くなります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月