令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問3を解説|バグフィルターの運転安全対策
令和7年度 ダイオキシン類特論 問3は、バグフィルターの運転上の安全対策に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
バグフィルターは布のろ布でダストをこし取る装置で、可燃性ガスや高温・腐食性の排ガスを扱うため、安全対策は「爆発を起こさない」「腐食させない」「静電気で着火させない」の三方向に整理できます。起動前の不燃ガス充満や爆発口の設置、漏れ込み空気の抑制は爆発防止、金属繊維入りろ布と支持金具の接地は静電気対策です。引っかけの核心は温度管理の向きで、集じん室を酸の露点より低くしてしまうと酸が凝縮してろ布や鉄部を傷めます。温度は露点より高く保つのが正しい方向です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 可燃性ガスを扱うとき、起動前に炉まわりを不燃ガスで満たして爆発を防ぐのは正しい対策です。 |
| (2) | ×(誤り) | 集じん室内は酸露点より高い温度に保つべきで、「酸露点以下に維持する」とする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 集じん室や煙道に爆発口を設け、万一の爆発圧を逃がすのは正しい対策です。 |
| (4) | ○(正しい) | 漏れ込み空気や余剰吸い込み空気を減らし、可燃混合気の形成を抑えるのは正しい対策です。 |
| (5) | ○(正しい) | 金属繊維入りろ布を用い支持金具を接地し、静電気の蓄積による着火を防ぐのは正しい対策です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
排ガスには硫黄酸化物などが含まれ、これが水分と結び付くと硫酸などの酸をつくります。この酸が気体のまま存在できる下限の温度が酸露点で、ガス温度が酸露点より下がると酸が凝縮してろ布・鉄部・ダクトを腐食させます。したがって集じん室内は酸露点より高い温度に維持しなければなりません。選択肢(2)は「酸露点以下に維持する」と温度管理の向きを逆にしており、これでは結露と腐食を招くため誤りです。なお温度を下げすぎない管理は、ダイオキシン類の再合成を避ける観点でも高すぎない範囲で、という別の制約と混同しないよう、ここでは「腐食を防ぐために露点より上」と押さえます。
覚え方
- 集じん室の温度は酸露点より上に保つ(下げると酸で腐食)。
- 爆発対策=不燃ガス充満・爆発口・漏れ込み空気の抑制。
- 静電気対策=金属繊維入りろ布+支持金具の接地。
理解度チェック
集じん室内の温度は酸露点に対してどう保つ?
酸露点より高く保ちます。露点より下げると酸が凝縮して腐食します。
ろ布支持金具を接地する目的は?
静電気の蓄積による着火を防ぐためです。金属繊維入りろ布と組み合わせて用います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月