令和7年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問4を解説|排ガス中ダイオキシン類の除去
令和7年度 ダイオキシン類特論 問4は、排ガス中のダイオキシン類の除去技術に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
排ガス中のダイオキシン類は、ガス状のものと、ダスト(ばいじん)に吸着・取り込まれたものに分けて考えると整理できます。バグフィルターの低温運転や粉末活性炭の吹き込みはガス状分の吸着除去、触媒分解はガス状分の化学分解に効きます。引っかけの核心は触媒の効く相手で、触媒はガスと接触して初めて分解できるため、ダスト粒子の内部に取り込まれたダイオキシン類には手が届きません。「触媒=ガス状に有効」という守備範囲を外すと誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 運転温度を低くすると再合成が抑えられ吸着も進むため、除去に有効です。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 前段に粉末活性炭を吹き込み、ガス状のダイオキシン類を吸着除去できます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | バグフィルターを2段にし後流を活性炭専用とする技術があるのは正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 触媒は集じん装置の後流に置き、酸性硫酸アンモニウムの析出を避けるため高めの温度で運転します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 触媒が分解できるのはガス状のダイオキシン類で、「ダスト粒子内部」のものは分解できません。誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
分解触媒は、ガスが触媒の活性表面に接触し、そこで酸化分解が進むことで働きます。つまり相手が気体(ガス状)であることが前提です。ダイオキシン類がダスト(ばいじん)粒子の内部に取り込まれていると、分子が触媒表面まで出てこられないため、ダスト粒子内部のダイオキシン類を触媒で効率的に分解することはできません。ダストに付いた分はまず集じん装置で固体としてこし取り、すり抜けたガス状分を触媒で分解する、という役割分担になります。選択肢(5)は触媒の守備範囲を「ダスト内部」まで広げている点が誤りです。
覚え方
- 触媒が分解できるのはガス状のダイオキシン類だけ。ダスト内部は分解できない。
- ダスト付着分は集じんで捕集、ガス状分は活性炭吸着か触媒分解。
- バグフィルターの低温運転は再合成抑制と吸着に有効。
理解度チェック
分解触媒が効くのはガス状とダスト内部のどちら?
ガス状のダイオキシン類です。触媒表面に接触できないダスト内部のものは分解できません。
前段に粉末活性炭を吹き込む狙いは?
ガス状のダイオキシン類を吸着して除去するためです。後段のバグフィルターで活性炭ごと捕集します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和7年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月