令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問10を解説|鉄鉱石焼結工程とダイオキシン類
令和6年度 ダイオキシン類特論 問10は、鉄鉱石焼結工程におけるダイオキシン類の挙動に関する問題です。五つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
鉄鉱石の焼結では、原料層の中を燃焼帯が上から下へ進んでいきます。ダイオキシン類は、原料にもともと含まれていたものが揮発して出てくるのではなく、燃焼帯の少し下の低温域で炭素・塩素・触媒作用をもつ金属から新たに合成(新規生成)されるのが主です。引っかけの核心はこの由来で、原料中のダイオキシン類のほとんどが揮発してダスト表面に吸着し排出されるとする記述は、生成の仕組みを取り違えており誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 配合原料中の塩素濃度と生成量に比較的強い正の相関があるという報告は正しい内容です。 |
| (2) | ○(正しい) | 焼成進行に伴う排ガス中濃度の変化がSOx濃度の変化に似るという記述は正しい内容です。 |
| (3) | ×(誤り) | ダイオキシン類は原料由来の揮発ではなく、焼結層の低温域で新規に生成するのが主です。この由来の説明が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 焼結鉱中にはダイオキシン類がほとんど残留しないという記述は正しい内容です。 |
| (5) | ○(正しい) | 発生量がコークスや無煙炭など燃料の種類に影響されるという記述は正しい内容です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
焼結工程でのダイオキシン類は、原料の中に元々あった分が熱で揮発して移ってくるのではありません。燃焼帯を過ぎた原料層の下方にできる低温域で、未燃炭素や塩素、鉄などの金属が触媒のように働いてその場で新しく合成(新規生成)されるのが主な発生経路です。選択肢は「原料中のダイオキシン類のほとんどが揮発してダスト表面に吸着し排出される」と、あたかも元からあったものが出てくるように述べており、生成の仕組みを取り違えている点が誤りです。塩素濃度との正の相関(選択肢1)も、新規生成の裏付けとして理解できます。
覚え方
- 焼結のダイオキシン類は焼結層の低温域で新規生成(原料由来の揮発ではない)。
- 塩素濃度が高いほど生成量が増える(正の相関)。
- 焼結鉱中にはほとんど残らず、排ガス側へ出る。
理解度チェック
Q.
焼結工程のダイオキシン類は主にどこから来る?
原料由来の揮発ではなく、焼結層の低温域での新規生成が主です。
Q.
配合原料中の塩素濃度と生成量の関係は?
比較的強い正の相関があります。塩素はダイオキシン類の構成元素だからです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月