令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問11を解説|製鋼用電気炉の排ガス・集じん
令和6年度 ダイオキシン類特論 問11は、製鋼用電気炉の排ガスと集じんに関する問題です。五つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
電気炉の排ガスは、溶解や酸化などの操業段階によって組成も温度も大きく変わり、集じんには一般にバグフィルターが使われます。排ガスの集め方には、炉から直接吸引する直引きだけを単独で処理する方式と、これに建屋内の集じん風量を合わせて処理する合流方式があります。引っかけの核心は、この二つのろ過後濃度の比較です。高温・高濃度の直引きガスを建屋風量で薄めて温度も下げられる合流方式のほうが、一般にろ過後のダイオキシン類濃度は低くなる傾向で、単独方式のほうが低いとする記述は向きが逆で誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 排ガスの組成や温度が操業の進行に伴い大きく変動するという記述は正しい内容です。 |
| (2) | ×(誤り) | ろ過後のダイオキシン類濃度が低いのは一般に合流方式です。単独方式が低いとする点が向きの逆で誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 集じん装置にバグフィルターが一般的という記述は正しい内容です。 |
| (4) | ○(正しい) | 集じんダストが鉄・亜鉛など金属を多く含み、塩素も数%〜10%程度含むという記述は正しい内容です。 |
| (5) | ○(正しい) | 集じんダストの粒径が0.1〜10μm程度という記述は正しい内容です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
直引きガスは炉から直接引くため高温で、ダイオキシン類の濃度も高くなりがちです。これを単独でバグフィルターに通すと、フィルター入口温度が高いままとなり、ろ布上のダスト層で再合成が進みやすくなります。一方、建屋集じんの大きな風量と合わせる合流方式では、直引きガスが希釈されて温度も下がるため、フィルター上での再合成が抑えられ、ろ過後のダイオキシン類濃度は一般に低くなる傾向です。したがって「単独方式のほうがろ過後濃度が低い」とする選択肢は、比較の向きが逆で誤りです。
覚え方
- 電気炉排ガスは操業段階で組成・温度が大きく変動。集じんはバグフィルター。
- 直引き=高温・高濃度。合流方式は希釈・降温でろ過後濃度が下がりやすい。
- 集じんダストは鉄・亜鉛が多く塩素も含む。粒径は0.1〜10μm程度。
理解度チェック
直引き単独方式と合流方式で、一般にろ過後のダイオキシン類濃度が低いのは?
一般に合流方式です。建屋風量で希釈・降温され、フィルター上の再合成が抑えられます。
製鋼用電気炉の集じん装置として一般的なのは?
バグフィルターです。集じんダストは鉄・亜鉛を多く含みます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月