令和6年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問3を解説|ダイオキシン類の生成抑制対策
令和6年度 ダイオキシン類特論 問3は、廃棄物焼却におけるダイオキシン類の生成抑制対策に関する問題です。五つの対策のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は、燃やし残しの未燃分や前駆物質が残る不完全燃焼と、排ガスがゆっくり冷える途中の低温域(おおむね300℃前後)での再合成によって増えます。だから抑制の基本は、高温・十分な空気・よい撹拌で燃やし切る完全燃焼と、その後の再合成域を素早く通過させる急冷、そして塩素源やダスト堆積を減らすことです。引っかけは、黒煙を上げて燃やすという対策で、黒煙はすすを含む不完全燃焼のしるしですから、これは生成を増やす方向であり抑制策として誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 固形燃料化で性状をそろえると燃焼変動が減り、安定した完全燃焼につながります。正しい対策です。 |
| (2) | ×(誤り) | 黒煙は不完全燃焼のしるしで、未燃分や前駆物質を増やしダイオキシン類生成を促します。抑制策として誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 排ガスを急速冷却し再合成の起こる低温域を素早く通過させるのは有効です。正しい対策です。 |
| (4) | ○(正しい) | ダストが堆積しにくい流路にすると、堆積物上での再合成の場を減らせます。正しい対策です。 |
| (5) | ○(正しい) | 塩素はダイオキシン類の構成元素なので、無機・有機を問わず燃焼場から減らすのは有効です。正しい対策です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
黒煙を上げる燃焼は、酸素や温度、混合が足りずに炭素分が燃え切らずすすや未燃の有機物として排出される不完全燃焼の状態です。この未燃分はダイオキシン類の前駆物質となり、後段の低温域で塩素や触媒作用をもつ金属とともに再合成されるため、生成を増やす向きに働きます。抑制の要は逆で、高温・十分な空気・よい撹拌・適切な滞留で燃やし切る完全燃焼です。黒煙を上げる条件を良しとする点が誤りです。
覚え方
- 抑制の基本=完全燃焼(高温・十分な空気・よい撹拌)+急冷+塩素低減。
- 黒煙・すす=不完全燃焼=ダイオキシン類が増える向き。
- 再合成は300℃付近の低温域で起こる。急冷で素早く通過させる。
理解度チェック
Q.
黒煙を上げる燃焼はダイオキシン類の抑制に有効?
有効ではありません。不完全燃焼で前駆物質が増え、生成を促す方向に働きます。
Q.
排ガスを急速冷却するのはなぜ抑制になる?
ダイオキシン類が再合成される低温域を素早く通過させ、生成する時間を与えないためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月