令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問15を解説|化学パルプの漂白とECF漂白
令和5年度 ダイオキシン類特論 問15は、化学パルプ製造におけるパルプ漂白と、そこから生じるダイオキシン類の歴史に関する下線部問題です。下線を付した箇所のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
パルプ漂白に塩素(Cl2)や塩素化合物を使うと、副生成物としてダイオキシン類が生じ得ることが古くから議論され、各国で川底の底質などから検出された経緯があります。これを受けて、日本では塩素を用いないECF漂白(Elemental Chlorine Free=分子状塩素を使わない漂白)への転換が進みました。引っかけの核心は、反応の理屈ではなくECF漂白がどこまで普及したかを述べた最後の下線部です。この普及を示す記述に、実際とずれた値が挿し込まれており、そこが誤りとされています。捏造を避けるため具体的な正しい数値は明示しませんが、方向としてはECF漂白は下線部が示す以上に広く普及している点を押さえてください。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 塩素や塩素化合物による漂白でダイオキシン類の排出が議論された、とする経緯は正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 海外のパルプ工場周辺で、川の底質などからダイオキシン類が検出された点は正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 日本で塩素を使わないECF漂白への転換が進んだ、とする流れは正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 対象がさらしクラフトパルプである、という記述の枠組みは正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | ECF漂白の普及の程度を示す下線部の値が実際とずれており、この箇所が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
この問題は歴史の流れそのものは正しく組み立てられていて、目が向きやすい前半(塩素漂白の懸念、海外での検出、ECFへの転換)はいずれも事実に沿っています。誤りが仕込まれているのは、ECF漂白がどれだけ普及したかを表す最後の下線部の数値です。ダイオキシン類対策としてのECF漂白は日本のさらしクラフトパルプで広く採用が進んでおり、下線部の値は実際の普及度を過小に見せている方向でずれています。正しい割合そのものは一次資料で確認すべき値のため断定しませんが、「歴史の筋は合っていても、最後の普及率の数字は疑う」という読み方が正解にたどり着く鍵です。
覚え方
- ECF漂白=分子状塩素(Cl2)を使わない漂白。ダイオキシン対策の要。
- 下線部問題は「歴史の筋」より「最後に出てくる数値・割合」を疑う。
- 塩素漂白→川底からダイオキシン検出→ECF転換、の流れをセットで記憶。
理解度チェック
ECF漂白とはどんな漂白法?
分子状塩素(Cl2)を使わない漂白法で、塩素漂白に伴うダイオキシン類の生成を避けるために普及しました。
パルプ漂白でダイオキシン類が問題化したきっかけは?
塩素や塩素化合物で漂白したパルプ工場の周辺で、川の底質などからダイオキシン類が検出されたことです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月