令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問13を解説|排水処理技術
令和5年度 ダイオキシン類特論 問13は、ダイオキシン類含有排水の処理技術に関する問題です。示された記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
排水中のダイオキシン類は、浮遊物質にくっついた懸濁態と、水に溶けた溶存態に分けて考えます。ここで効くのが、ダイオキシン類の強い疎水性です。水になじみにくいため、大部分は浮遊物質に付着した懸濁態として存在します。引っかけの核心は、この存在形態の割合です。廃棄物焼却施設の排水でも懸濁態が主で、「相当部分が溶存態」とするのは向きが逆です。だからこそ、浮遊物質を除く処理(沈降・ろ過・膜分離)がまず有効になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 懸濁態のダイオキシン類は浮遊物質に付着した状態で存在します。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 溶存態は、溶存有機物に結合したものと直接溶けているものに分けられます。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 疎水性が強いため大部分は懸濁態で存在します。相当部分が溶存態とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 沈降分離・清澄ろ過・膜分離で浮遊物質を除けば懸濁態を同時に除去できます。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 活性炭・ゼオライトによる吸着除去では溶存態も同時に除けます。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は水に溶けにくい疎水性の物質なので、排水の中では水に溶けているより、浮遊物質(SS)に吸着した懸濁態として存在する割合が大きくなります。廃棄物焼却施設の排水でも、相当部分が懸濁態です。選択肢(3)は「相当部分が溶存態で存在する」と割合の主従を逆にしている点が誤りです。存在形態が主に懸濁態だからこそ、沈降分離・清澄ろ過・膜分離で浮遊物質を取り除く処理がまず効き、残る溶存態を活性炭やゼオライトの吸着で仕上げる、という順序になります。
覚え方
- 排水中のダイオキシン類は疎水性ゆえ大部分が懸濁態(浮遊物質付着)。
- まず浮遊物質除去(沈降・ろ過・膜分離)で懸濁態を落とす。
- 残る溶存態は活性炭・ゼオライトの吸着で除く。
理解度チェック
Q.
排水中のダイオキシン類は懸濁態・溶存態どちらが主?
疎水性が強いため懸濁態(浮遊物質に付着)が主です。
Q.
懸濁態を除くのに有効な処理は?
沈降分離・清澄ろ過・膜分離など浮遊物質を除く処理です。溶存態は吸着で仕上げます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月