令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問11を解説|製鋼用電気炉
令和5年度 ダイオキシン類特論 問11は、製鋼用電気炉の特徴に関する問題です。示された記述のうち正しいものを選びます。
この問題のポイント
製鋼用電気炉は、鉄スクラップをアーク熱で溶かして鋼をつくる炉で、操業がまとまった単位(バッチ)ごとに区切られ、炉内温度も排ガス温度も大きく変動するのが特徴です。この問題は「正しいもの」を選ぶ形式で、迷わせる誤り肢が四つ並びます。正解に直結するのは、排ガス中のダイオキシン類の塩素化物としての分布で、PCDDsもPCDFsも五塩素化物・六塩素化物の濃度が高いという記述が正しい選択肢です。操業や集じん、温度と濃度の向きに関する記述は、いずれも実態と逆になっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(正しい記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | PCDDs・PCDFsとも五塩素化物・六塩素化物の濃度が高い、という分布の記述は正しく、これが正解です。 |
| (2) | ×(誤り) | スクラップ予熱に導入するガス温度は、記述された高温域より低いのが一般的で、誤りです。 |
| (3) | ×(誤り) | 電気炉はバッチ操業で炉内温度も排ガス温度も大きく変動します。あまり変動しないとする点が誤りです。 |
| (4) | ×(誤り) | 排ガスの集じんはバグフィルターが多く用いられます。乾式電気集じん機が多いとする点が誤りです。 |
| (5) | ×(誤り) | 入口の排ガス温度が高いほど再合成が進み、集じん後の濃度はむしろ高くなりやすく、向きが逆で誤りです。 |
選択肢(1)のポイント(ここが正解)
製鋼用電気炉の排ガスから検出されるダイオキシン類は、塩素の付き方(塩素化の程度)ごとに濃度が偏り、PCDDs・PCDFsとも五塩素化物・六塩素化物あたりの濃度が高い分布を示します。これが正しい記述で、正解です。誤り肢を見抜く手掛かりは向きの逆転で、電気炉はバッチ操業ゆえ温度が大きく変動し、集じんは火花を伴わないバグフィルターが主流、集じん装置入口の排ガス温度が高いほど再合成が進み濃度は高くなりやすいという点です。いずれも実態と逆に書かれているため、消去法でも(1)に絞れます。
覚え方
- 電気炉排ガスのダイオキシン類は五・六塩素化物の濃度が高い。
- 電気炉はバッチ操業で温度変動が大きい。
- 集じん入口の温度が高いほど再合成が進み、後の濃度は高くなりやすい。
理解度チェック
電気炉排ガスのPCDDs・PCDFsで濃度が高い塩素化物は?
五塩素化物・六塩素化物の濃度が高い分布を示します。
集じん装置入口の排ガス温度が高いと、集じん後の濃度はどうなりやすい?
再合成が進むため高くなりやすいです。低温に急冷するほど有利です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月