令和5年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問1を解説|生成抑制対策
令和5年度 ダイオキシン類特論 問1は、固体燃料の燃焼におけるダイオキシン類の生成抑制対策に関する問題です。示された対策のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は、燃焼そのものよりも、高温で一度分解したあとに排ガスが冷えていく過程で再び作られる「再合成」が問題になります。だからこそ生成抑制の基本は、炉内は十分な酸素と高温で完全燃焼させて未燃分を減らし、そのあとは低温域を短時間で通過させる、という二段構えです。引っかけの核心は、排ガス処理工程の温度管理の向きです。約300℃前後は、ダイオキシン類がもっとも再合成されやすい温度域であり、そこに保ち続ける操作は抑制ではなく促進側に働きます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 二次燃焼領域へ十分な酸素を送り、混合と高温保持で未燃分を焼き切る操作は、完全燃焼を進め生成を抑えます。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 自動制御で燃焼変動を抑え、局所的な酸素不足や低温を避けることは、不完全燃焼を防ぐ有効策です。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 燃料を粉砕・混合して組成の変動を小さくすると安定燃焼につながります。正しい記述です。 |
| (4) | ×(誤り) | 約300℃は再合成が進む温度域です。排ガス処理工程を常にこの温度に保つのは生成を助長する方向で、誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 堆積ダストは再合成の場になりやすいため、流路形状を工夫して堆積を防ぐのは有効です。正しい記述です。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は、炉内の高温でいったん分解されても、排ガスが冷えていく途中のおおむね250〜400℃(約300℃前後)で、ダストや塩素分などを材料に再び作られます。これがいわゆる再合成(デノボ合成)です。したがって排ガス処理工程を常に300℃近傍に管理するという操作は、もっとも再合成が進む温度帯に排ガスをとどめ続けることになり、生成抑制とは逆効果です。正しい対策は、この温度帯をできるだけ速く通過させて低温域まで急冷することです。
覚え方
- ダイオキシン再合成のゴールデンゾーンは約300℃(250〜400℃)。
- 抑制の基本は高温で完全燃焼→急冷して低温への二段構え。
- ダスト堆積・低温滞留は再合成の温床。
理解度チェック
ダイオキシン類がもっとも再合成されやすい温度域は?
おおむね250〜400℃(約300℃前後)です。排ガスはこの帯域を素早く通過させるのが基本です。
排ガス流路のダスト堆積を防ぐのはなぜ生成抑制になる?
堆積したダストが低温で長く滞留すると再合成の場になるためです。堆積を防げばその機会を減らせます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月