令和4年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問25を解説|測定分析の精度管理
令和4年度 ダイオキシン類特論 問25は、ダイオキシン類の測定分析方法の精度管理に関する問題です。誤っている記述を選びます。
この問題のポイント
精度管理では、内標準物質による各工程の確認、二重測定、装置の感度確認、濃縮などの操作が正しく行われているかを問います。分かれ目は、抽出液を窒素気流で濃縮するときの扱いです。ダイオキシン類はごく微量なので、完全に乾固させてしまうと器壁への吸着や揮散で失われます。そのため濃縮は乾固の手前で止め、溶媒が少し残る状態にしてから置換します。選択肢(5)は「完全に乾固させてから」としており、この操作の向きが誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | サンプリングスパイクは、試料採取から抽出前までの操作を確認する内標準物質です。 |
| (2) | ○(正しい) | 排ガスの二重測定は、同一試料ガスを同時に2台の装置で採取します。 |
| (3) | ○(正しい) | 水試料の二重測定は、特に断らない限り10試料に1回の頻度で行います。 |
| (4) | ○(正しい) | 1日1回以上、標準液を測定して装置の感度変動を確認します。 |
| (5) | ×(誤り) | 濃縮では完全に乾固させてはなりません。乾固するとダイオキシン類を失います。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
抽出液を窒素気流で吹き付けて濃縮する操作では、溶媒を減らして目的物質を濃くします。しかしダイオキシン類はごく微量で、溶媒がなくなるまで完全に乾固させると、器壁への吸着や揮散によって失われ、回収率が下がります。そのため濃縮は乾固の手前で止め、わずかに溶媒が残る状態にしてから適切な溶媒に置き換えなければなりません。選択肢(5)は「完全に乾固させてから」置換するとしており、やってはならない操作を述べている点が誤りです。ほかの選択肢は、内標準物質の役割・二重測定・感度確認といった精度管理の手順として妥当です。
覚え方
- 濃縮は完全に乾固させない(乾固=吸着・揮散で損失)。
- サンプリングスパイク=採取から抽出前まで、クリーンアップスパイク=精製の確認。
- 装置の感度は1日1回以上、標準液で確認する。
理解度チェック
Q.
窒素気流で濃縮するとき、完全に乾固させてよい?
いけません。乾固させるとダイオキシン類を失うため、乾固の手前で止めます。
Q.
試料採取から抽出前までの操作を確認する内標準物質は?
サンプリングスパイク用内標準物質です。工程ごとに担当する内標準が異なります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月