令和4年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問20を解説|GC-MS法(同定・定量)
令和4年度 ダイオキシン類特論 問20は、ダイオキシン類のガスクロマトグラフィー質量分析法に関する問題です。下線を付した記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の同定と定量は、キャピラリーカラムを用いた高分解能GC-MSで行います。分解能を高く保つためにロックマス方式で質量を補正し、保持時間とイオン強度比で確認したうえで、ピーク面積から内標準法で定量します。引っかけの核心は、検出の走査方式です。微量のダイオキシン類を狙い撃ちで感度よく測るには、あらかじめ決めた質量だけを追う選択イオンモニタリング(SIM)を使います。すべての質量を走査する「全イオンモニタリング」とするのは誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | キャピラリーカラムを用いたGC-MSで同定・定量を行います。 |
| (2) | ○(正しい) | 10000以上の分解能を維持して測定します(高分解能GC-MS)。 |
| (3) | ×(誤り) | 検出は選択イオンモニタリング(SIM)で行います。「全イオンモニタリング」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 保持時間とイオン強度比からダイオキシン類であることを確認します。 |
| (5) | ○(正しい) | ピーク面積から内標準法によって定量します。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
ダイオキシン類は排ガスや排水中でごく微量なので、質量分析では狙う質量をあらかじめ絞り込み、その質量のイオンだけを高感度で追う選択イオンモニタリング(SIM)で検出します。ロックマス方式で分解能を10000以上に保つのも、目的イオンを近接する妨害イオンと分離して正確に選び取るためです。選択肢(3)の「全イオンモニタリング」は、広い質量範囲をまんべんなく走査する方式で、微量成分の感度が不足するため、ここでは適しません。走査方式を取り違えたのが誤りです。
覚え方
- 高分解能GC-MSの検出は選択イオンモニタリング(SIM)。
- 分解能10000以上+ロックマスで目的イオンを分離。
- 確認は保持時間とイオン強度比、定量はピーク面積から内標準法。
理解度チェック
高分解能GC-MSでダイオキシン類を検出する走査方式は?
選択イオンモニタリング(SIM)です。狙う質量だけを高感度で追います。
分解能を10000以上に保つのは何のため?
目的イオンを近接する妨害イオンと分離し、正確に選び取るためです。ロックマスで質量を補正します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月