令和4年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問15を解説|パルプ漂白とECF
令和4年度 ダイオキシン類特論 問15は、さらし化学パルプ製造の漂白工程に関する問題です。下線を付した記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
パルプ漂白は、パルプに残ったリグニンなどの有機不純物を分解・脱色する工程です。ダイオキシン類の原因になるのは分子状塩素(Cl2)による漂白なので、これを使わずに二酸化塩素や酸素系漂白剤で行う方式がECF(Elemental Chlorine Free)漂白です。引っかけの核心は、二酸化塩素の反応の向きです。二酸化塩素は強い酸化力でリグニンを分解する酸化剤であり、「還元反応を主体とする」とするのは向きが逆の誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 漂白の目的は、パルプに残る有機不純物(主にリグニン)を除くことです。 |
| (2) | ○(正しい) | ECF漂白は、ダイオキシン類生成の要因となる分子状塩素を使いません。 |
| (3) | ×(誤り) | 二酸化塩素は酸化反応を主体とする酸化剤です。「還元反応を主体とする」は向きが逆です。 |
| (4) | ○(正しい) | 二酸化塩素に酸素系漂白剤を組み合わせるのがECF漂白の考え方です。 |
| (5) | ○(正しい) | 酸素系漂白剤には酸素・過酸化水素・オゾンなどが使われます。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
二酸化塩素(ClO2)はきわめて酸化力が強い薬品で、リグニンを酸化して分解・脱色します。つまり漂白の主体は酸化反応です。選択肢(3)が掲げる「還元反応を主体とする」という表現は、反応の向きを取り違えた誤りです。漂白剤が相手(リグニン)を酸化するとき、漂白剤自身は還元されますが、これは「還元反応を主体とする薬品」という意味ではありません。ECF漂白で分子状塩素の代わりに二酸化塩素や酸素・過酸化水素・オゾンといった酸素系漂白剤を使うのも、いずれも酸化によってリグニンを壊す薬剤だからです。
覚え方
- ECF漂白=分子状塩素を使わない(二酸化塩素+酸素系漂白剤)。
- 二酸化塩素・酸素・過酸化水素・オゾンは、すべてリグニンを壊す酸化剤。
- 漂白は「酸化して脱色」。還元と書いてあれば向きが逆で誤り。
理解度チェック
Q.
二酸化塩素は酸化剤・還元剤のどちら?
酸化剤です。強い酸化力でリグニンを分解・脱色します。
Q.
ECF漂白が使わないのは何か?
分子状塩素(Cl2)です。ダイオキシン類生成の主要因となるため使いません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和4年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月