令和3年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問20を解説|試料ガス採取量の計算
令和3年度 ダイオキシン類特論 問20は、目標とする試料ガスにおける検出下限を得るのに必要な試料ガス採取量を求める計算問題です。
この問題のポイント
測定方法の検出下限(ここでは0.05 pg)は、GC-MSに注入した一部の量で検出できる最小量です。この量を、注入量 → 最終検液量 → 分取量 → 抽出液全量とさかのぼって「試料ガス全体に含まれる量」に換算し、目標の検出下限濃度(0.0008 ng/m3)で割れば、必要な採取量が出ます。分かれ目は、希釈や分取のたびに検出下限相当量を実際の量へ「割り戻す」向きです。注入したのは検液の一部だけなので、全体では量を増やす向きに換算します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
計算の手順
- 注入量2 µL中の検出下限が0.05 pgなので、最終検液量50 µL全体では 0.05 × (50 ÷ 2) = 1.25 pg。
- この検液は、抽出液100 mLのうち50 mLを分取したぶん。抽出液全量では 1.25 × (100 ÷ 50) = 2.5 pg(=0.0025 ng)。これが試料ガス全体に含まれる量。
- 目標の検出下限濃度0.0008 ng/m3で割ると、必要な採取量 = 0.0025 ÷ 0.0008 = 約3.1 m3。
- およそ3 m3となり、選択肢(2)。
ここが分かれ目
ミスが出やすいのは、割り戻しの向きを逆にしてしまう点です。注入したのは検液50 µLのうち2 µLだけなので、検液全体の量は検出下限より大きく(×25)なります。分取も100 mLのうち50 mLだけなので、抽出液全体はさらに×2です。掛けるのか割るのか迷ったら、「一部しか測っていない=全体はもっと多い」と考えれば向きを間違えません。最後に、量(ng)を濃度(ng/m3)で割ると体積(m3)が出ます。
覚え方
- 検出下限の割り戻しは「一部→全体」で量を増やす向き。
- 注入2/50なら×25、分取50/100なら×2。順に掛ける。
- 最後は 量 ÷ 検出下限濃度 = 必要採取量(体積)。
理解度チェック
Q.
最終検液50 µLのうち2 µLを注入したとき、検液全体の量は検出下限の何倍で考える?
25倍(50 ÷ 2)です。注入は一部なので、全体は多くなる向きに割り戻します。
Q.
試料ガス全体の量が0.0025 ng、目標検出下限が0.0008 ng/m3のとき、必要採取量は?
0.0025 ÷ 0.0008 = 約3 m3です。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月