令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問22を解説|試料の前処理
令和2年度 ダイオキシン類特論 問22は、ダイオキシン類測定分析における試料の前処理に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
前処理は試料の種類ごとに手順が決まっています。排ガスのフィルタ部は塩酸で処理し、吸着剤などの固体はソックスレー抽出で抽出、排水はろ過してから液液抽出や固相抽出にかけます。分かれ目は排水のろ過に使うガラス繊維ろ紙の孔径で、微細な懸濁態や吸着態のダイオキシン類まで捕らえるには孔径は約1 µmと小さく、5.0 µm程度では大きすぎて取りこぼす向きになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 排ガス試料のフィルタ部は塩酸による処理を行います。 |
| (2) | ○(正しい) | 吸着剤などの固体からの抽出は、ソックスレー抽出又は同等の方法で行います。 |
| (3) | ×(誤り) | 排水ろ過のガラス繊維ろ紙は孔径約1 µmで、5.0 µm程度では大きすぎます。 |
| (4) | ○(正しい) | 破過通水量が確認できていない試料では、一つの固相への通水量を5 L以下とします。 |
| (5) | ○(正しい) | 液液抽出では、ろ液1 Lにジクロロメタン100 mLを加え、振り混ぜる操作を3回行います。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
排水試料は、まずろ過して懸濁物とろ液に分けますが、ダイオキシン類は微細な懸濁物にも吸着しているため、孔径が大きすぎるろ紙では取りこぼしが生じます。使うガラス繊維ろ紙の孔径は約1 µmで、5.0 µm程度では大きすぎるのが誤りです。孔径は「もっと小さい」向きに直す、と押さえます。抽出(ソックスレー・液液・固相)や通水量の記述は本筋どおりです。
覚え方
- 排水のろ過は孔径約1 µmのガラス繊維ろ紙。
- 固体はソックスレー抽出、ろ液は液液抽出(ジクロロメタン)や固相抽出。
- 排ガスのフィルタ部は塩酸処理。
理解度チェック
Q.
排水試料のろ過に使うガラス繊維ろ紙の孔径は?
約1 µmです。5.0 µm程度では大きすぎて微細な懸濁態を取りこぼします。
Q.
吸着剤などの固体からダイオキシン類を抽出する方法は?
ソックスレー抽出又はこれと同等の抽出方法です。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月