令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問14を解説|生物処理とダイオキシン類
令和2年度 ダイオキシン類特論 問14は、活性汚泥法や生物膜法など生物的手法による排水処理と、その中でのダイオキシン類の挙動に関する問題です。5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類は難分解性で疎水性が強いため、微生物が「分解」して減らすのはほとんど期待できません。生物処理でダイオキシン類が排水から減るのは、汚泥(固体のフロック)に吸着し、それを固液分離で取り除くからです。ここが分かれ目で、汚泥への吸着による除去を期待するなら、汚泥が健全に働いてフロックがよく形成される状態、すなわちBOD除去がしっかり進む運転が有利になります。BOD除去率が低い運転はむしろダイオキシン類の除去にも不利で、「BOD除去率は低いほうがよい」という向きは逆です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ダイオキシン類は難分解性で、生物膜法でも微生物による効率的な分解は期待しにくいです。 |
| (2) | ○(正しい) | 汚泥に吸着した分をフロックごと固液分離することで、排水中のダイオキシン類を除去できます。 |
| (3) | ○(正しい) | 疎水性が強いため、水中よりも固体(活性汚泥)に移りやすく、吸着しやすい性質です。 |
| (4) | ×(誤り) | 向きが逆で、吸着除去を活かすにはBOD除去率は高いほうがよい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | SVIが大きいと汚泥の沈降性が悪化(バルキング)し、処理水へ流出するおそれがあります。 |
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
生物処理でのダイオキシン類除去は「分解」ではなく「汚泥への吸着+固液分離」で成り立っています。汚泥が活発に有機物を取り込んで良好なフロックをつくっている状態、つまりBOD除去がよく進む運転ほど、疎水性のダイオキシン類も汚泥に取り込まれて水から抜けやすくなります。したがって「BOD除去率は低いほうがよい」というのは方向が逆で誤りで、正しくはBOD除去率は高いほうがよいのです。汚泥が不活発でBOD除去が進まない状態は、吸着による除去にとってもむしろ不利になります。
覚え方
- ダイオキシン類の生物処理は分解でなく吸着で除去(難分解性・疎水性)。
- 汚泥に吸着→固液分離で取る。BOD除去率は高いほうが有利。
- SVIが200 mL/gを超えると汚泥流出(バルキング)の目安。
理解度チェック
生物処理で排水中のダイオキシン類が減る主な仕組みは?
微生物による分解ではなく、活性汚泥への吸着と固液分離による除去です。難分解性のため分解は期待しにくいです。
ダイオキシン類の除去には、BOD除去率は高いほうがよい?低いほうがよい?
高いほうがよいです。汚泥が活発でフロックが良好なほど、吸着による除去が進みます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月