令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問15を解説|ECFパルプ漂白
令和2年度 ダイオキシン類特論 問15は、ECF漂白(Elemental Chlorine Free)というパルプ漂白技術に関する下線部問題です。文章中の下線を付した箇所のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ECF漂白は、ダイオキシン類発生の主たる要因となる分子状塩素(塩素ガス)を使わず、二酸化塩素と酸素系漂白剤を組み合わせて行う漂白です。二酸化塩素は酸化反応を主体とする薬品で、酸素系漂白剤には酸素・過酸化水素・オゾンなどがあります。分かれ目は「酸素系漂白剤」に何が含まれるかで、さらし粉は塩素系(次亜塩素酸カルシウム)であり、酸素系には当たりません。塩素を含むさらし粉を挙げること自体、分子状塩素系を避けるというECFの趣旨とも矛盾します。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 下線部 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ECFは分子状塩素(塩素ガス)を使わない漂白で、ダイオキシン類の発生を抑えます。 |
| (2) | ○(正しい) | 二酸化塩素と酸素系漂白剤を組み合わせる、という組み立ては正しいです。 |
| (3) | ○(正しい) | 二酸化塩素は酸化反応を主体とする漂白薬品です。 |
| (4) | ○(正しい) | 酸素や過酸化水素は代表的な酸素系漂白剤です。 |
| (5) | ×(誤り) | さらし粉は塩素系で、酸素系漂白剤には当たりません。正しくはオゾンなどです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
誤りは「さらし粉」を酸素系漂白剤として挙げている点です。さらし粉は次亜塩素酸カルシウムを主成分とする塩素系の薬剤で、酸素系ではありません。ECFはそもそも分子状塩素系の薬剤を避ける漂白なので、塩素を含むさらし粉を酸素系漂白剤の例に加えるのは二重に矛盾します。酸素系漂白剤としては、酸素・過酸化水素のほかオゾンなどが用いられます。
覚え方
- ECF=Elemental Chlorine Free=分子状塩素を使わない漂白。
- 主薬は二酸化塩素(酸化)+酸素系(酸素・過酸化水素・オゾン)。
- さらし粉は塩素系。酸素系漂白剤には含めない。
理解度チェック
Q.
ECF漂白が使わないことにしている漂白剤は?
分子状塩素(塩素ガス)です。ダイオキシン類発生の主要因を避けるためです。
Q.
さらし粉は酸素系漂白剤か、塩素系か?
塩素系(次亜塩素酸カルシウム)です。酸素系にはオゾンなどが入ります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月