令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問12を解説|塩素系・臭素系ダイオキシン類の性状
令和2年度 ダイオキシン類特論 問12は、塩素系・臭素系ダイオキシン類の性状や排出に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
塩素系ダイオキシン類は疎水性が強く、水になじみにくいため、水中では粒子に付いた懸濁態で存在しやすい物質です。この性質を踏まえると、排水を系内で繰り返し使う循環使用は、外部へ出す水そのものを減らすので排出抑制に役立ちます。引っかけの核心はここで、「排出抑制のため排水を循環使用してはいけない」と、向きを逆に述べた肢が誤りです。正しくは、循環使用は排出抑制の手段になります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 塩素系ダイオキシン類が疎水性の強い物質であるのは正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 海水中で懸濁態として存在するものが多いのは、疎水性が強いことと整合し正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 排水の循環使用は排出抑制に役立ちます。「循環使用してはいけない」とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 臭素系ダイオキシン類の毒性等価係数が国際的に決まっていないのは正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 2017年の環境省調査で報告された臭素系の大気・水への排出割合に関する記述は正しい内容です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
塩素系ダイオキシン類は疎水性が強く水になじみにくいので、排水中では粒子に付いた形で運ばれやすい物質です。この性質から、工程で使った水を外へ出さずに系内で循環使用すれば、外部へ排出する水そのものが減り、排出抑制に役立ちます。選択肢(3)は「排出抑制のため,排水を循環使用してはいけない」としており、排出抑制の向きと逆の内容になっている点が誤りです。正しくは、排水の循環使用は排出を抑える手段の一つで、避けるべきものではありません。「疎水性が強い→粒子側に付く→水を循環させて外に出さない」という流れで押さえると迷いません。
覚え方
- 塩素系ダイオキシン類は疎水性が強く、水中では懸濁態が多い。
- 排水の循環使用は排出抑制に役立つ(外に出す水を減らす)。
- 臭素系の毒性等価係数は国際的に未確定。
理解度チェック
Q.
排水の循環使用は、ダイオキシン類の排出抑制にどう働く?
外部へ排出する水を減らすので、排出抑制に役立ちます。避けるべきものではありません。
Q.
塩素系ダイオキシン類が海水中で懸濁態として多いのはなぜ?
疎水性が強く水になじみにくいため、粒子に付いた形で存在しやすいからです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月