令和2年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問10を解説|製鋼用電気炉プロセス
令和2年度 ダイオキシン類特論 問10は、製鋼用電気炉プロセスに関する問題です。記述のうち正しいものを選びます。
この問題のポイント
製鋼用電気炉はスクラップを溶かす炉で、原料の投入から溶解・精錬まで工程が進むため、炉内の温度や排ガスの組成は時間とともに大きく変わります。排ガスの集じんには主にバグフィルターが使われ、捕らえた集じんダストは非常に細かく、亜鉛や鉛のほか数%の塩素を含むのが特徴です。正しい肢を選ぶ問題なので、変動が「小さい」、集じんが「電気集じん機」中心、といった実態と逆の記述を外し、細かいダストと塩素含有を正しく述べた肢を選びます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 電気炉はバッチ操業で、炉内温度や排ガス組成の変動は大きくなります。「小さい」とする点が誤りです。 |
| (2) | ×(誤り) | 建屋集気と合流する方式は常温の空気で希釈・冷却されるため、ろ過温度はむしろ低くなる向きで、記述は誤りです。 |
| (3) | ×(誤り) | 排ガス量などの数値が実態と合わず、誤りです。 |
| (4) | ×(誤り) | 集じん装置として主に用いられるのはバグフィルターです。「電気集じん機」とする点が誤りです。 |
| (5) | ○(正しい) | 集じんダストが0.1〜10µm程度で数%の塩素を含むのは正しい記述です。 |
選択肢(5)のポイント(ここが正解)
製鋼用電気炉の集じんダストは非常に細かく、粒径は0.1〜10µm程度で、亜鉛や鉛などの金属分に加えて数%の塩素を含みます。塩素を含むことはダイオキシン類の生成に関わるため、電気炉ダストの管理では重要です。一方、他の肢には実態と逆の記述が並びます。電気炉はスクラップの投入から溶解・精錬までバッチで進むため、炉内温度や排ガス組成の変動は小さいどころか大きくなり、(1)は誤りです。集じん装置も主にバグフィルターが使われるので、電気集じん機を主とする(4)も誤りです。細かいダストと塩素含有を正しく述べた(5)が正解になります。
覚え方
- 電気炉の集じんダスト=0.1〜10µm・数%の塩素を含む。
- 電気炉はバッチ操業で温度・排ガス組成の変動が大きい。
- 排ガスの集じんは主にバグフィルター。
理解度チェック
Q.
製鋼用電気炉の集じんダストの粒径と特徴は?
0.1〜10µm程度と細かく、数%の塩素を含みます。
Q.
電気炉の排ガス集じんに主に使われる装置は?
バグフィルターです。電気集じん機が主ではありません。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月