令和元年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問16を解説|ナフトキノン製造プロセス
令和元年度 ダイオキシン類特論 問16は、2,3-ジクロロ-1,4-ナフトキノンの製造プロセスに関する下線部問題です。下線を付した(1)~(5)の箇所のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この製造では、ニトロベンゼンを溶媒にしてナフトキノンを溶かし、塩化鉄(III)を触媒として塩素を吹き込み、塩素化して目的物を得ます。この塩素化反応工程がダイオキシン類の主な発生源です。分かれ目は、生じるダイオキシン類のうちTEQに占める割合が高いのはどの仲間か、という点です。塩素を吹き込むこの種の塩素化ではPCDFs(ジベンゾフラン類)側の寄与が大きくなりやすく、「PCDDsが非常に高い」とする箇所が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている箇所)
各選択肢の正誤
| 下線 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ニトロベンゼンを溶媒としてナフトキノンを溶かす、反応の媒体としての記述で妥当です。 |
| (2) | ○(正しい) | 塩化鉄(III)を触媒に加える点で、塩素化を進める触媒として矛盾しません。 |
| (3) | ○(正しい) | 塩素を吹き込みナフトキノンを塩素化する工程で、ここがダイオキシン発生の主因です。 |
| (4) | ×(誤り) | この種の塩素化ではPCDFsの寄与が大きくなりやすく、PCDDsが非常に高いとは言い切れません。 |
| (5) | ○(正しい) | 目的生成物は農薬中間体などに利用されるという用途の記述で妥当です。 |
誤っているのは、TEQに占める割合をPCDDsが非常に高いとした選択肢(4)です。
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
塩素を吹き込むこの塩素化反応で生じるダイオキシン類は、PCDFs(ポリ塩化ジベンゾフラン)側の寄与が大きくなりやすいとされます。本文はTEQに占める割合を「PCDDsが非常に高い」としていますが、この向きが誤りです。塩素化がダイオキシン発生の主な工程であること、目的物が農薬中間体に使われることは正しく、間違いはあくまで「どの仲間の寄与が高いか」の断定にあります。
覚え方
- ナフトキノン製造=ニトロベンゼン溶媒+塩化鉄(III)触媒で塩素化。塩素化工程が発生源。
- 塩素化系ではTEQ寄与はPCDFs側が大きくなりやすい。
- 「PCDDsが非常に高い」と即断しない。
理解度チェック
Q.
ナフトキノン製造でダイオキシン類が主に発生する工程は?
塩素を吹き込む塩素化反応工程です。
Q.
塩素化プロセスでTEQへの寄与が大きくなりやすいのはPCDDsとPCDFsのどちらか?
PCDFs側です。PCDDsが非常に高いと断定するのは誤りです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月