令和元年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問15を解説|アルミナ繊維製造プロセス
令和元年度 ダイオキシン類特論 問15は、アルミナ繊維の製造プロセスに関する下線部問題です。下線を付した(1)~(5)の箇所のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
アルミナ繊維は、アルミニウム粉を塩酸と反応させてオキシ塩化アルミニウムの水溶液をつくり、これにシリカゾルと増粘剤を混ぜて濃縮し、熱風中に噴射して繊維化(製綿)します。塩素を含む原料を加熱で扱う工程なので、ダイオキシン類が生じうる点がダイオキシン類特論での着目点です。分かれ目は、紡糸液に加える増粘剤の素性です。繊維へ引くための粘りを与える増粘剤は一般に有機化合物であり、これを「無機化合物」と述べている箇所が誤りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(4)(誤っている箇所)
各選択肢の正誤
| 下線 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | アルミニウム粉を水と塩酸で反応させる出発反応で、塩素を含む中間体をつくります。 |
| (2) | ○(正しい) | 中間体のオキシ塩化アルミニウムは水溶性で、紡糸液の骨格になります。 |
| (3) | ○(正しい) | シリカゾルを混ぜ、アルミナにシリカを組み合わせて繊維の組成・性質を整えます。 |
| (4) | ×(誤り) | 紡糸に必要な粘性を与える増粘剤は一般に有機化合物で、無機化合物ではありません。 |
| (5) | ○(正しい) | 濃縮した紡糸液を熱風中へ噴射し、乾燥・繊維化させます。 |
誤っているのは、増粘剤を無機化合物とした選択肢(4)です。
選択肢(4)のポイント(ここが誤り)
紡糸液を糸状に引くには適度な粘りが要ります。その粘性を与える増粘剤は一般に有機化合物(水溶性の高分子など)であり、これを無機化合物と述べるのは誤りです。工程そのものは、アルミニウム粉と塩酸からオキシ塩化アルミニウムを得て、シリカゾル・増粘剤を混ぜ、熱風中で製綿するという流れで矛盾しません。ダイオキシン類特論としては、塩酸で持ち込まれた塩素を含む原料が加熱工程を経ることが、ダイオキシン類生成の素地になる点を押さえます。
覚え方
- アルミナ繊維=アルミ粉+塩酸→オキシ塩化アルミニウム→シリカゾル・増粘剤→熱風噴射で製綿。
- 紡糸液の増粘剤は有機化合物(無機ではない)。
- 原料由来の塩素+加熱工程が、ダイオキシン生成の素地。
理解度チェック
アルミナ繊維の紡糸液に加える増粘剤は、無機化合物か有機化合物か?
一般に有機化合物です。繊維に引くための粘りを与える役割をもちます。
アルミナ繊維製造でダイオキシン類が問題になる元の一つは?
塩酸で持ち込まれた塩素を含む原料が加熱工程を経ることです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月