令和元年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問14を解説|凝集の不安定化とフロック化
令和元年度 ダイオキシン類特論 問14は、排水処理の凝集沈殿処理技術に関する穴埋め問題です。ア~エに入る語句の正しい組合せを選びます。
この問題のポイント
凝集沈殿は、水中に安定に分散した微粒子(コロイド)を薬剤で集め、沈みやすくする操作です。コロイドは粒子表面の電荷どうしが反発し合うことで分散が保たれています。凝集の過程は、まず荷電を打ち消して反発をなくす段階と、電荷を失った粒子を橋渡しでつないで大きなフロックに育てる段階に分かれます。前者が不安定化、後者がフロック化です。分かれ目は、荷電中和で起こるアを「安定化」と読み違えないこと。反発を消して分散の安定を崩すのですから、これは不安定化です。さらに薬剤の対応も引っかけで、不安定化を担うのが無機凝集剤、フロック化を担うのが高分子凝集剤です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
各選択肢の正誤
| 空欄 | 入る語句 | 読み解き |
|---|---|---|
| ア | 不安定化 | 粒子表面の電荷を打ち消して反発をなくし、粒子どうしが近づけるようにする段階です。 |
| イ | フロック化 | 電荷を失った粒子を架橋作用でつなぎ、沈みやすい大きなフロックに成長させる段階です。 |
| ウ | 無機凝集剤 | 荷電中和による不安定化を受け持つ薬剤で、ポリ塩化アルミニウム(PAC)や硫酸アルミニウムなどです。 |
| エ | 高分子凝集剤 | 架橋によるフロック化を受け持つ薬剤で、鎖の長い高分子が粒子どうしを結び付けます。 |
ア=不安定化、イ=フロック化、ウ=無機凝集剤、エ=高分子凝集剤 となる組合せは選択肢(2)です。
ここが分かれ目
アで迷わせるのは「不安定化」と安定化の取り違えです。コロイドは表面電荷の反発によって水中に安定に分散しています。凝集剤で荷電を中和すると、その反発が消えて粒子が近づけるようになり、分散の安定が崩れます。これが不安定化で、ここを「安定化」と読むと逆の意味になり誤りです。さらにウ・エは薬剤の役割の対応で、荷電中和による不安定化は無機凝集剤、架橋によるフロック化は高分子凝集剤が担います。この対応を入れ替えても誤りになります。
覚え方
- 凝集は二段:荷電中和の不安定化→架橋のフロック化。
- 不安定化=無機凝集剤(PAC・硫酸アルミニウム)、フロック化=高分子凝集剤。
- コロイドは電荷の反発で安定分散。中和は「安定を崩す」ので不安定化。
理解度チェック
荷電中和で粒子の反発をなくす段階は「安定化」と「不安定化」のどちらか?
不安定化です。コロイドは電荷の反発で安定分散しているため、中和はその安定を崩す不安定化になります。
架橋作用でフロックを粗大化させるのは無機凝集剤か高分子凝集剤か?
高分子凝集剤です。荷電中和による不安定化は無機凝集剤が担います。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月