令和元年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問11を解説|アルミニウム合金製造プロセス
令和元年度 ダイオキシン類特論 問11は、アルミニウム合金製造プロセスとその原料に関する問題です。溶解炉や焙焼炉、切り粉などの扱いのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
アルミニウム合金の製造では、切り粉に含まれる塩素分や、飲料缶塗料の揮発分がダイオキシン類の生成に関わるため、乾燥・焙焼・溶解の各工程での処理が問われます。引っかけは溶解炉のバーナーの運転のしかたです。溶湯を700〜750 ℃程度の一定温度に保持するには、バーナーを常に全力で燃やし続けるのではなく、温度に応じて断続的(間欠的)に運転します。これを「連続運転される」と述べているのが誤りの核心です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 溶湯温度を一定に保持するには断続的に運転します。「連続運転される」とする点が誤りです。 |
| (2) | ○(正しい) | 切り粉に、油溶性・水溶性の切削油に由来する塩素が含まれる点は正しいです。 |
| (3) | ○(正しい) | 切り粉を油切り・水切りし、300〜500 ℃で乾燥する処理は妥当です。 |
| (4) | ○(正しい) | 飲料缶の塗料の揮発分を除くため、焙焼炉で通常500 ℃以上で処理する点は正しいです。 |
| (5) | ○(正しい) | ドロス分離や水素・アルカリ金属等の除去のため、フラックスや塩素ガスを使う点は妥当です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
溶解炉のバーナーは、溶湯を700〜750 ℃程度の目標温度に保つために使われます。温度を一定に維持するときは、燃やし続けると設定温度を超えて過熱してしまうため、溶湯温度が下がったら加熱し、目標に達したら絞る、という断続的(間欠的)な運転で調整します。したがって「連続運転される」という記述は誤りです。温度を保持する=連続運転と結びつけてしまうのが引っかけで、正しくは「一定温度に保つために断続運転する」という向きです。他の選択肢(切り粉の塩素、乾燥・焙焼の温度、フラックスや塩素ガスの使用)はいずれも妥当なので、運転方式を述べたこの一文だけが誤りだと見抜けるかが問われています。
覚え方
- 溶解炉のバーナーは温度保持のため断続運転(連続運転ではない)。
- 切り粉には切削油由来の塩素が含まれる。
- 飲料缶塗料の揮発分は焙焼炉(通常500 ℃以上)で除去。
理解度チェック
溶解炉のバーナーは、溶湯温度を保つためにどう運転する?
断続的(間欠的)に運転します。連続運転では過熱してしまうためです。
アルミニウム原料の切り粉に含まれ、ダイオキシン類生成に関わる成分は?
切削油に由来する塩素です。乾燥・焙焼で揮発分や塩素分を減らします。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月