令和元年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問8を解説|吸着処理
令和元年度 ダイオキシン類特論 問8は、吸着処理に関する問題です。物理吸着と化学吸着、比表面積と平衡吸着量、破過などのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
吸着は、気体分子が固体表面に付着して集まる現象で、物理吸着と化学吸着に大別されます。基本知識どおりの選択肢が並びますが、引っかけは吸着の熱的な向きです。吸着は分子が表面に捕らえられて安定化する過程なので、熱力学的には熱を放出する発熱過程です。ここを「吸熱過程」と逆に述べているのが誤りの核心です。だからこそ、温度を上げると吸着量が減り、脱着(再生)が進みます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 結合力の弱い物理吸着は、化学吸着より容易に表面から脱離する点は正しいです。 |
| (2) | ×(誤り) | 吸着は発熱過程です。「吸熱過程である」とする点が誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 一般に比表面積が大きい吸着剤ほど平衡吸着量も多くなる点は妥当です。 |
| (4) | ○(正しい) | ダイオキシン類は疎水性が強く、疎水性の活性炭表面に容易に吸着する点は正しいです。 |
| (5) | ○(正しい) | 空間速度(SV値)を大きくすると破過時間が短くなる点は正しいです。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
吸着は、気体分子が固体表面に捕らえられてエネルギーの低い安定な状態になる現象です。分子が自由に飛び回る状態から表面に束縛される状態へ移るとき、余ったエネルギーが熱として放出されるため、吸着は熱力学的に発熱過程です。したがって「吸着は吸熱過程である」という記述は誤りで、正しくは発熱過程です。発熱過程であることの実務的な意味は、温度を上げると吸着量が減り、逆に脱着(吸着剤の再生)が進むことです。加熱脱着で活性炭を再生できるのは、吸着が発熱過程だからだと押さえておくと取り違えません。
覚え方
- 吸着は発熱過程。温度を上げると脱着(再生)が進む。
- 物理吸着は結合が弱く、化学吸着より脱離しやすい。
- SV値を大きくすると破過時間は短くなる。
理解度チェック
Q.
吸着は熱力学的に発熱過程・吸熱過程のどちら?
発熱過程です。だから温度を上げると吸着量が減り、脱着が進みます。
Q.
物理吸着と化学吸着では、どちらが表面から脱離しやすい?
物理吸着です。結合力が弱いため、化学吸着より容易に脱離します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月