令和元年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問6を解説|ダイオキシン類の触媒処理
令和元年度 ダイオキシン類特論 問6は、排ガス中のダイオキシン類の触媒処理に関する問題です。触媒の種類や空間速度(SV値)などのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダイオキシン類の触媒分解では、酸化バナジウム系触媒やハニカム構造の触媒などが実用化されています。引っかけは空間速度(SV値)の計算の向きです。SV値は「排ガス流量 ÷ 触媒体積」で表されるので、排ガス流量を変えずに触媒量(触媒体積)を増やせば、分母が大きくなってSV値は小さくなります。これを「大きくなる」と逆に述べているのが誤りの核心です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 酸化バナジウム系触媒が実用化されている点は正しいです。 |
| (2) | ○(正しい) | 触媒によっては毒性の高い低塩素化物が増える場合がある点も知られています。 |
| (3) | ×(誤り) | 流量一定で触媒量を増やすとSV値は小さくなります。「大きくなる」とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 圧力損失を抑えるため一般にハニカム構造の触媒が用いられる点は正しいです。 |
| (5) | ○(正しい) | 触媒寿命が反応温度や排ガス組成の影響を受ける点は妥当です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
空間速度(SV値)は、単位時間あたりの排ガス流量を触媒体積で割った値で、触媒がどれだけの負荷で使われているかを表します。排ガス流量を変えずに触媒量(触媒体積)だけを増やすと、割り算の分母が大きくなるので、SV値は小さくなります。したがって「SV値は大きくなる」とした記述が誤りです。SV値が小さくなると、排ガスが触媒に接触する時間(滞留時間)が長くなり、分解反応が進みやすくなります。「触媒を増やす=SV値が下がる=処理に余裕が出る」という向きで覚えると取り違えません。
覚え方
- SV値=排ガス流量 ÷ 触媒体積。触媒を増やせばSV値は下がる。
- 圧力損失を抑えるためハニカム構造の触媒を用いる。
- 触媒によっては低塩素化物が増えることもある。
理解度チェック
Q.
排ガス流量を変えずに触媒量を増やすと、SV値はどうなる?
小さくなります。SV値は流量÷触媒体積で、分母が増えるためです。
Q.
触媒の圧力損失を小さくするために用いられる構造は?
ハニカム構造です。多数の細い通路にガスを通し、圧力損失を抑えます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月