令和元年度 公害防止管理者 ダイオキシン類特論 問5を解説|充塡層式スクラバー
令和元年度 ダイオキシン類特論 問5は、充塡層式スクラバーに関する問題です。充塡塔の使用条件や充塡物の材質などのうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
充塡層式スクラバーは、比表面積の大きい充塡物を詰めた層に液を流し、水膜とガスを接触させて低濃度のダストやガス成分を除去する装置です。使用条件(低ダスト濃度向き、処理ガス流速など)は基本どおりですが、引っかけは充塡物の材質の移り変わりです。従来は磁器製のラシヒリングや木製ハードル、コークスなどが使われていましたが、近年は軽量で耐食性にすぐれた合成樹脂(プラスチック)製が主流です。ここを「金属製が多い」と入れ替えているのが誤りの核心です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 代表的なものに充塡塔や流動層スクラバーがある点は正しいです。 |
| (2) | ○(正しい) | 一般に低ダスト濃度のガス処理に使われる点は妥当です。 |
| (3) | ○(正しい) | 充塡物には比表面積が大きく水膜を形成しやすいものが用いられる点は正しいです。 |
| (4) | ○(正しい) | 充塡塔での処理ガス流速が1 m/s以下、50 %分離粒子径が1 µm前後という値は妥当です。 |
| (5) | ×(誤り) | 近年の充塡物は合成樹脂製が主流です。「金属製のものが多く採用される」とする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
充塡物は、かつては磁器製のラシヒリング、木製のハードル、コークスなどが用いられていました。しかし近年は、軽くて耐食性にすぐれ加工もしやすい合成樹脂(プラスチック)製の充塡物が多く採用されています。したがって、最近は真鍮やステンレススチールなどの金属製が多く採用されるとした部分が誤りです。腐食性のある吸収液に触れる充塡物では、金属より合成樹脂のほうが耐食性やコストの面で有利です。材質の移り変わりの方向を「セラミック・木・コークス → 合成樹脂」と押さえておけば、金属製という記述の違和感に気づけます。
覚え方
- 充塡物の主流は従来のセラミック等→近年は合成樹脂製。
- 充塡層式スクラバーは低ダスト濃度ガス向き。
- 充塡物は比表面積が大きく水膜をつくりやすいものを選ぶ。
理解度チェック
Q.
近年の充塡物の主流の材質は?
合成樹脂(プラスチック)製です。軽量で耐食性にすぐれるためです。
Q.
充塡物に求められる形状上の性質は?
比表面積が大きく、水膜を形成しやすいことです。ガスと液の接触面積を稼ぐためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 ダイオキシン類特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月