令和3年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問8を解説|セメント製造設備の対策
令和3年度 大規模大気特論 問8は、セメント製造設備における大気汚染対策に関する問題です。五つの記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
セメント製造では、工場内の粉じん対策にバグフィルター、キルン排ガスのばいじん対策に電気集じん装置が使われ、NOx抑制には低空気比燃焼、SO2は原料中の石灰石やアルカリ成分で自ら除去されます。分かれ目は、ごみ焼却炉でおなじみの活性炭によるダイオキシン対策を、そのままセメントキルンにも当てはめてよいかどうかです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 工場内の粉じん対策にバグフィルターが使われます。設備の使い方どおりで正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | キルン排ガスのばいじん対策に電気集じん装置が使われます。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | NOx抑制のため、空気を絞る低空気比燃焼が採用されます。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 発生したSO2は、原料の石灰石やアルカリ成分に吸収されて除去されます。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | セメントキルンは高温でダイオキシン類が分解されるため、活性炭による対策は一般的ではありません。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
活性炭でダイオキシン類を吸着除去する対策は、燃焼温度が比較的低く生成しやすいごみ焼却炉で使われる方法です。一方セメントキルンは焼成のために非常に高温で滞留時間も長いため、ダイオキシン類は分解されやすく、そもそも大きな発生源になりにくい設備です。選択肢(5)は、この高温のキルンにごみ焼却炉向けの活性炭対策を当てはめており、一般的な対策としては誤りです。
覚え方
- セメントキルンは高温・長滞留でダイオキシン類が分解
- 活性炭でのダイオキシン対策はごみ焼却炉向け
- SO2は原料の石灰石・アルカリ成分が自ら吸収
理解度チェック
Q.
セメントキルンがダイオキシン類の大きな発生源になりにくいのはなぜか?
焼成のため非常に高温で滞留時間も長いため、ダイオキシン類が分解されやすいからです。活性炭対策は一般的ではありません。
Q.
セメント製造で発生したSO2は、どのように除去されるか?
原料中の石灰石やアルカリ成分に吸収されて除去されます。原料自体が脱硫剤の働きをします。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和3年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月