令和2年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問5を解説|最大着地濃度と煙突高さ
令和2年度 大規模大気特論 問5は、最大着地濃度と必要な煙突高さを図から求める計算問題です。パスキル安定度Dのもと、風下側の最大着地濃度を0.6 ppmより低くするのに必要な煙突高さを選びます。
この問題のポイント
図は、有効煙突高さHe ごとに、着地濃度Cに風速uを掛けて排出量Qで割った値(Cu/Q)が風下距離xとともにどう変わるかを示したものです。着地濃度は C = (Cu/Q) × Q ÷ u で計算できるので、最大着地濃度の条件(0.6 ppm未満)を、図の縦軸Cu/Qの許容上限に置き換えて読みます。もう一つの分かれ目は、図から得られるのは有効煙突高さHeであり、問われているのは実際の煙突高さだという点です。有効煙突高さから排煙上昇高さ20 mを差し引く必要があります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)
解き方の手順
- 着地濃度の関係式をつくる。図の縦軸はCu/Qなので、着地濃度は C = (Cu/Q) × Q ÷ u。ここでQ=0.3、u=4。
- 条件(最大着地濃度を0.6 ppmより低くする)を、縦軸Cu/Qの許容上限に翻訳する。C=(Cu/Q)×Q/u を満たすように、各He 曲線のピーク(最大のCu/Q)が上限を下回るHe を探す。
- 有効煙突高さHe が高いほどCu/Qのピークは下がり、ピーク位置は風下遠方へ移る。図で各曲線のピークを読み比べると、条件を満たす有効煙突高さはHe=100 mと読み取れる。
- 問われているのは実際の煙突高さ。煙突高さ = 有効煙突高さHe − 排煙上昇高さ = 100 − 20 = 80 m。
ここに注意(有効煙突高さと実煙突高さ)
この問題で最も間違えやすいのは、図から読んだ有効煙突高さHe をそのまま答えにしてしまうことです。有効煙突高さは、実際の煙突の高さに排煙の上昇高さ(ここでは20 m)を加えたものです。図の各曲線の高さ(He=0、20、50、100、200、300 mなど)はいずれも有効煙突高さを表しているので、条件を満たすHe=100 mから排煙上昇高さ20 mを引いた80 mが求める煙突高さになります。100 m(=He をそのまま答えた値)を選ぶ選択肢(3)が代表的なひっかけです。よって正解は選択肢(2)の80 mです。
覚え方
- 着地濃度=C = (Cu/Q) × Q ÷ u。図の縦軸から実濃度へ戻す。
- 煙突が高いほどCu/Qのピークは下がり、ピークは遠方へ。
- 図で読むのは有効煙突高さ→実煙突高さ=He −排煙上昇高さ(20 mを引き忘れない)。
理解度チェック
図のCu/Qから着地濃度Cを求めるにはどうするか?
C = (Cu/Q) × Q ÷ u で戻します。図の縦軸Cu/Qに、排出量Qを掛け、風速uで割ると着地濃度が得られます。この問題ではQ=0.3、u=4です。
図から読んだ有効煙突高さが100 mのとき、実際の煙突高さは?
80 mです。有効煙突高さ100 mから排煙上昇高さ20 mを差し引きます(実煙突高さ=有効煙突高さ−上昇高さ)。100 mをそのまま答えるのが典型的な誤りです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月