令和元年度 公害防止管理者 大規模大気特論 問2を解説|ダウンウォッシュ
令和元年度 大規模大気特論 問2は、ダウンウォッシュに関する問題です。発生の仕組みや対策についての記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
ダウンウォッシュは、煙突出口の吐出速度が風速に比べて小さいと、煙突の風下側にできる後流(負圧域)に煙が引き込まれて下降する現象です。対策・影響を述べた選択肢は素直に正しく、分かれ目は用語の呼び分けにあります。煙突そのものの後流で起こる現象と、周辺の建物によって起こる下降流とを、同じ名前で呼んでいないかを見極めます。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(1)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(誤り) | 煙突頂部(出口)で煙が後流に引き込まれる現象がダウンウォッシュで、これをダウンドラフトとは呼びません。ダウンドラフトは周辺建造物による下降流です。 |
| (2) | ○(正しい) | 出口の上向き吐出速度を風速の1.5倍以上に保つと後流に巻き込まれにくく、発生を避ける有効な手立てです。 |
| (3) | ○(正しい) | 出口付近の形状が複雑だと気流が乱れて負圧域ができやすく、同じ吐出速度でも発生しやすくなります。 |
| (4) | ○(正しい) | 付近の建造物でも下降流が生じ、これを避けるには煙突を周囲の建物の2.5倍以上高くする目安があります。 |
| (5) | ○(正しい) | 煙が引き下ろされるぶん、発生しない場合に比べて着地濃度は高くなります。影響の向きも正しい記述です。 |
選択肢(1)のポイント(ここが誤り)
ダウンウォッシュは、煙突そのものの背後にできる後流に煙が引き込まれて起こる現象です。一方、選択肢(1)が持ち出すダウンドラフトは、周辺の建造物などがつくる下降気流によって煙が地表へ押し下げられる現象を指します。原因が「煙突の出口」なのか「周りの建物」なのかで名前が変わるのに、選択肢(1)は煙突頂部で起こる現象をダウンドラフトと呼んでおり、そこが誤りです。発生源による呼び分けを取り違えないようにします。
覚え方
- 煙突出口の後流で引き込まれる=ダウンウォッシュ。周辺建物による下降流=ダウンドラフト。
- 予防の目安は吐出速度を風速の1.5倍以上、煙突は建物の2.5倍以上。
- ダウンウォッシュが起きると着地濃度は高くなる。
理解度チェック
Q.
ダウンウォッシュを避けるための吐出速度の目安は?
煙突出口の上向き吐出速度を、風速の1.5倍以上に保つことが有効です。吐出速度が風速に対して小さいと、煙突後流の負圧域に煙が引き込まれて下降します。
Q.
ダウンウォッシュとダウンドラフトの違いは?
ダウンウォッシュは煙突自身の後流に煙が引き込まれる現象、ダウンドラフトは周辺の建造物による下降流で煙が押し下げられる現象です。発生源が異なります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大規模大気特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月