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令和5年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問2を解説|沿岸海域の生態系モデル

令和5年度 大規模水質特論 問2は、沿岸海域に生態系モデルを適用して水質濃度やプランクトンの現存量を解析する手法に関する問題です。不適切なものを選びます。

この問題のポイント

生態系モデルは、海水中の物質や生物量の時間変化を、拡散方程式に生物・化学過程を組み込んで計算し、流れによる輸送は流体力学計算の結果を借りて解きます。海底からの栄養塩負荷は観測値を格子点に内挿し、有機物の計算結果からCODの分布を推定します。引っかけの核心は、汚濁負荷量の求め方です。L-Q式(L=aQb)は、流量Qが大きく変動して負荷を実測しにくい河川などの発生源を、流量から推定するための式です。工場・事業場は排水の流量も濃度も直接測れるため、L-Q式で推定する対象ではありません。選択肢(1)はこの適用先を取り違えています。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(1)(最も不適当な記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)×(誤り)L-Q式は流量が変動する河川などの負荷推定に使う式で、流量・濃度を測れる工場・事業場の負荷推定には用いません。
(2)○(正しい)状態変数の時間変化は、生物・化学過程を含んだ拡散方程式で解きます。正しい記述です。
(3)○(正しい)物理的な輸送は、別に解いた流体力学計算の結果を使います。正しい記述です。
(4)○(正しい)海底堆積物からの栄養塩負荷は、局所的な観測データを格子点に内挿して求められます。正しい記述です。
(5)○(正しい)有機物の状態変数の計算結果から、CODの時間変化や空間分布を推定できます。正しい記述です。

選択肢(1)のポイント(ここが誤り)

L-Q式は、汚濁負荷量Lを流量Qの関数 L=aQb で表す経験式です。狙いは、流量が雨などで大きく変わり、負荷を毎回測るのが難しい河川や面的な発生源について、測りやすい流量から負荷を推し量ることにあります。これに対し工場・事業場は、排水の流量も濃度も直接把握できるため、実測値そのものから負荷量を出せます。わざわざ流量だけから推定するL-Q式を当てる相手ではありません。選択肢(1)は、L-Q式の適用先を工場・事業場と取り違えている点が誤りです。

覚え方

  • L-Q式(L=aQb)は流量から負荷を推定。相手は測りにくい河川・面源。
  • 工場・事業場は流量も濃度も測れる=実測でよい。L-Q式の出番ではない。

理解度チェック

Q.

L-Q式はどんな発生源の負荷量を求めるための式?

流量が大きく変動し、負荷を実測しにくい河川などの発生源です。流量Qから負荷量Lを推定します。

Q.

生態系モデルで、流れによる物質の輸送はどう扱う?

別に解いた流体力学計算の結果を使い、それを拡散方程式の物理的な輸送項に取り込みます。

この問題に関連する用語解説

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出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF