毎日は測れない汚濁負荷量を、どうやって見積もるの?と思いませんか。よく測られている「流量」から負荷量を推定する関係式が、L-Q式です。仕組みを整理します。
この記事の要点
L-Q式は、河川の流量 Q と 汚濁負荷量 L の関係を表した式で、L = aQb(a・bは正の係数)の形をしています。
川がどれだけの汚れ(窒素やCODなど)を運んでいるかを表すのが汚濁負荷量 Lです。負荷量は「濃度 × 流量」で決まりますが、濃度や流量は毎日測れるとは限りません。
一方、流量 Q は比較的よく観測されています。そこで、流量から負荷量を見積もる関係式が使われます。それがL-Q式(L-Q曲線)です。
L-Q式とは、流量 Q と負荷量 L の関係を L = aQb というべき乗の式で表したものです。a と b はどちらも正の係数です。
この式は、両辺の対数をとると log L = log a + b・log Q となり、両対数グラフ(縦軸・横軸とも対数)の上では直線になります。その直線の傾きが b です。
L=aQ^b は、両対数グラフ上では傾き b の直線になる。測られた流量と負荷量がこの直線にのる。
この直線(式)がいったん求まれば、流量だけ分かれば負荷量を計算で出せます。
つまり、負荷量を直接測れなかった日でも、その日の流量をL-Q式に当てはめれば、負荷量を推定できます。長期間の負荷量の見積もりに役立ちます。
ここが間違えやすいところです。L=aQb なので、流量Qが10倍になると、負荷量Lは 10b倍 になります。つまり増え方は傾き b で決まります。
ですから、「流量が10倍になれば負荷量は必ず10倍以上増える」とは言い切れません。bが1より小さければ、10倍未満しか増えないからです。
L-Q式は、大規模水質特論で、式の形・両対数で直線・流量からの推定として問われます。
令和7年度の大規模水質特論(問2)では、L-Q曲線の性質が問われ、「流量が10倍になると負荷量は10倍以上増える」と決めつける記述が誤りでした。増え方は傾き b 次第で、b が1より小さければ10倍未満しか増えません。
混同しやすい用語
負荷量 L と 濃度 C
L-Q式が扱うのは負荷量 L(単位時間に流れる汚れの量)で、濃度 C とは別物です。
関係は 負荷量 L = 濃度 C × 流量 Q。流量が増えると、濃度が一定でも負荷量は増えます。L-Q式は、この「流量と負荷量」の関係をまとめて1本の式にしたものです。
L-Q式はどんな式で、両対数グラフ上ではどう見えるか。
答え:L=aQ^b(a・bは正の係数)。両対数グラフ上では傾き b の直線になる
流量 Q から汚濁負荷量 L を推定するための式で、測れない日の負荷量も流量から見積もれます。
流量が10倍になると、負荷量は必ず10倍以上に増えるといえるか。
答え:いえない。増え方は傾き b で決まる(10^b 倍)
b=1なら10倍、b>1なら10倍超、b<1なら10倍未満です。「必ず10倍以上」とは限りません。
L-Q式は、流量から汚濁負荷量を推定するための関係式です。
L=aQ^b(a・bは正)の形で、両対数グラフでは傾き b の直線になります。測れない日の負荷量も流量から推定できます。
流量が10倍になったときの負荷量の増え方は傾き b で決まり、「必ず10倍以上」ではない、という点に注意します。
参考
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
流量を増やしたときの負荷量の増え方を決めつける記述が狙われます。
「流量が10倍になると負荷量は10倍以上増える」と決めつける記述が誤りです。増え方は傾き b 次第で、b が1より小さければ10倍未満しか増えません。