令和元年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問3を解説|植物プランクトンの増殖式
令和元年度 大規模水質特論 問3は、生態系モデルで植物プランクトンの増殖を計算する式に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
植物プランクトンの増殖速度は、水温・光・栄養塩という制限要因を組み合わせて計算します。潜在的な増殖速度は水温の関数とし、栄養塩の摂取はミハエリス-メンテンの式で表し、複数の栄養塩がある場合は最も不足したもので増殖が決まる(リービッヒの最小律)とします。引っかけの核心は「光」の扱いです。水中の光強度は深さとともに指数関数的に減衰する式で求めるもので、リービッヒの法則で計算するものではありません。選択肢(3)は栄養塩の法則を光強度に当てはめてしまっています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | ポテンシャル増殖速度は水温の関数として表します。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 栄養塩の摂取はミハエリス-メンテンの式で表します。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 水中の光強度は深さとともに指数関数的に減衰する式で計算するもので、リービッヒの法則とする点が誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | 光合成速度の計算では、強すぎる光による強光阻害を考慮します。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 複数の栄養塩のうち最も制限の強いものを選んで計算します(最小律)。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
リービッヒの法則(最小律)は、複数ある栄養塩のうち最も不足したもので増殖が決まるという、栄養塩に関する考え方です。これは選択肢(5)の内容にあたります。一方、水中の光強度は、水や懸濁物・植物プランクトン自身による吸収で深さとともに指数関数的に弱くなるため、その減衰式で計算します。選択肢(3)は、栄養塩の法則であるリービッヒの法則を、光強度の計算に当てはめている点が誤りです。光と栄養塩の扱いを取り違えないことが分かれ目です。
覚え方
- 光強度は深さで指数関数的に減衰。光にリービッヒは使わない。
- リービッヒの最小律=栄養塩の話(最も不足したもので律速)。増殖速度は水温の関数。
理解度チェック
Q.
水中の光強度はどう計算する?
深さとともに指数関数的に減衰する式で計算します。リービッヒの法則は栄養塩の話で、光には使いません。
Q.
リービッヒの最小律は何を決める?
複数の栄養塩のうち最も不足したもので増殖が決まる、という考え方です。栄養塩の摂取自体はミハエリス-メンテンの式で表します。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月