令和元年度 公害防止管理者 大規模水質特論 問2を解説|溶存酸素の計算式
令和元年度 大規模水質特論 問2は、生態系モデルで海水中の溶存酸素(DO)を計算する式に関する問題です。誤っているものを選びます。
この問題のポイント
生態系モデルの溶存酸素の式は、酸素を「消費する項」と「供給する項」の足し引きで組み立てます。有機物の分解や、アンモニア体窒素→亜硝酸体窒素→硝酸体窒素と進む硝化の各段階が酸素を消費し、植物プランクトンの光合成が酸素を供給します。引っかけの核心は硝化の順序です。硝化はアンモニアから始まり硝酸体窒素で終わります。硝酸はすでに酸化されきった最終形なので、これ以上は酸化されず、酸素も消費しません。選択肢(5)はこの最終形をさらに酸化されるかのように書いています。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | アンモニア体窒素が亜硝酸へ酸化される段階で酸素を消費します。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 溶存体有機物が微生物に分解される際に酸素を消費します。正しい記述です。 |
| (3) | ○(正しい) | 植物プランクトンの光合成が酸素を供給します。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 亜硝酸体窒素が硝酸へ酸化される段階でも酸素を消費します。正しい記述です。 |
| (5) | ×(誤り) | 硝酸体窒素は硝化の最終形でこれ以上酸化されないため、酸素を消費するとする点が誤りです。 |
選択肢(5)のポイント(ここが誤り)
硝化は、アンモニア体窒素 → 亜硝酸体窒素 → 硝酸体窒素の順に進む酸化反応で、最初の二段階(選択肢(1)と(4))で酸素を消費します。しかし、硝酸体窒素はすでに酸化しきった最終形なので、それ以上の酸化は起こらず、酸素も消費しません。むしろ硝酸は、酸素の乏しい条件で脱窒によって還元される側です。選択肢(5)は、この最終形をさらに酸化されるものとして酸素消費項に入れている点が誤りです。
覚え方
- 硝化=アンモニア→亜硝酸→硝酸。酸素を使うのは前の二段階まで。
- 硝酸は酸化の終着点。さらに酸化されず、酸欠では脱窒で還元される側。
理解度チェック
Q.
溶存酸素の式で酸素を消費するのはどの窒素の反応まで?
アンモニア→亜硝酸、亜硝酸→硝酸の二段階です。硝酸はそれ以上酸化されないため、酸素を消費しません。
Q.
溶存酸素を供給する項は?
植物プランクトンの光合成です。有機物分解や硝化が消費項なのに対し、光合成が供給項になります。
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和元年度 公害防止管理者等国家試験 大規模水質特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月