令和2年度 公害防止管理者 大気・水質概論 問7を解説|大気汚染物質の健康影響(オゾン)
令和2年度 大気・水質概論 問7は、大気汚染物質の健康影響に関する問題です。記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、二酸化硫黄(SO2)・二酸化窒素(NO2)・オゾン(O3)が、水への溶けやすさによって気道のどこに影響するかを問うものです。水に溶けやすい物質は上部気道に、溶けにくい物質は肺の奥(肺胞側)に影響します。
核心は、光化学オキシダントの主成分であるオゾンの影響像です。オゾンは水に溶けにくいため、影響像はSO2ではなくNO2に類似します。ここをSO2に似ているとすると誤りになります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | SO2は水に溶けやすく、鼻・咽頭・喉頭など上部気道への影響が強い点は正しい。 |
| (2) | ○(正しい) | 吸入されたSO2が体内の水分と反応し、亜硫酸水素イオン・亜硫酸イオンになる点は正しい。 |
| (3) | ×(誤り) | O3の影響像はNO2に類似します。「SO2に極めて類似」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | NO2は水に緩慢な可溶性で、終末細気管支から肺胞にかけて影響が及ぶ点は正しい。 |
| (5) | ○(正しい) | NO2が細胞膜の不飽和脂質を酸化し、過酸化脂質を生じて細胞膜を傷害する点は正しい。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
物質が気道のどこに効くかは、水への溶けやすさで決まります。水に溶けやすいSO2は上部気道で早く溶けて作用しますが、水に溶けにくい物質は溶けずに奥まで進み、肺の深部(肺胞側)に達します。
オゾン(O3)は水に溶けにくいため、影響を受ける部位も影響の仕方も、同じく水に溶けにくいNO2に類似します。選択肢(3)は、これを「SO2に極めて類似」としている点が誤りです。溶けやすいSO2と溶けにくいO3では、効く場所が上部気道と肺深部で逆になります。
覚え方
- 水に溶けやすいSO2=上部気道、溶けにくいNO2・O3=肺深部。
- オゾンの影響像はNO2に類似。SO2に似せる記述は引っかけ。
理解度チェック
Q.
オゾン(O3)の生体影響は、SO2とNO2のどちらに類似しますか。
NO2に類似します。どちらも水に溶けにくく、肺の深部に影響します。
Q.
SO2の影響が上部気道に強く出るのはなぜですか。
水に溶けやすいため、鼻・咽頭・喉頭など上部気道の粘膜で早く溶けて作用するからです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 大気・水質概論 問題」(公式PDF)
- 大気汚染物質の健康影響に関する知見
※ この記事の確認日:2026年7月