光化学オキシダントとは(生成のしくみ・光化学スモッグ)
光化学オキシダントって何からできるの?光化学スモッグとどう関係するの?なぜ環境基準の達成率がこんなに低いの?で迷いませんか。生成の流れから整理します。
光化学オキシダントは、工場の煙突から直接出てくる物質ではありません。
もとになる物質が、空気中で太陽の光を受けて化学反応を起こし、後からできる物質です。
この「後からできる(二次生成)」という点が、ほかの大気汚染物質と違う特徴です。
光化学オキシダントとは
光化学オキシダント(Ox)とは、窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)が、太陽の紫外線を受けて反応してできる酸化性の物質の総称です。
その主成分はオゾンです。
NOxやVOCは、自動車や工場などから排出されます(一次汚染物質)。
これらが大気中で日光(紫外線)を受けて光化学反応を起こし、オキシダントができます(二次生成)。
NOxとVOCが太陽の紫外線を受けて反応し、光化学オキシダント(主にオゾン)ができる。直接排出ではなく二次生成。
光化学スモッグとの関係
光化学オキシダントの濃度が高くなると、空が白くかすむ光化学スモッグが起こります。
日差しの強い夏の日中、風の弱いときに起きやすく、目やのどへの刺激、植物への影響などが出ます。
濃度が一定以上になると、都道府県は光化学スモッグ注意報などを発令して注意を呼びかけます。
環境基準と達成状況
光化学オキシダントの環境基準は、長く昼間の1時間値が0.06ppm以下とされてきました。公害防止管理者試験でも、この「昼間の1時間値0.06ppm以下」が出題されています。
この基準は令和8年(2026年)1月に改定され、現在はオゾンとして8時間値が0.07ppm以下、かつ日最高8時間値の1年平均値が0.04ppm以下とされています。1時間の最高値ではなく、8時間の平均でみる方式に変わりました。
ところが、この基準の達成率は、ほかの物質と比べて極めて低いのが特徴です。原因物質のNOx・VOCが減っても、気象条件などの影響でオキシダントが下がりにくく、達成がなかなか進みません。
過去問での問われ方
光化学オキシダントは、大気概論で、環境基準の達成状況として問われます。
令和5年度 大気概論 問5では、光化学オキシダントの環境基準達成率が、すべての年度で1%未満と極めて低いことが、正しい記述として出題されました(同じ問題では、PM2.5の達成率が近年改善していることが問われました)。
「Ox=NOx+VOC+紫外線で二次生成」「環境基準は昼間0.06ppm以下だが達成率は極めて低い」を押さえておきます。
理解度チェック
光化学オキシダントは、何と何が太陽の紫外線を受けて反応してできるか。
答え:窒素酸化物(NOx)と揮発性有機化合物(VOC)
これらが紫外線を受けて光化学反応を起こし、主成分がオゾンの酸化性物質(オキシダント)ができます(二次生成)。
光化学オキシダントの環境基準は、従来「昼間の1時間値」で何ppm以下とされてきたか。
答え:昼間の1時間値0.06ppm以下(過去問で問われてきた値)
令和8年1月にオゾンとして8時間値0.07ppm以下へ改定されました。いずれの基準でも達成率は極めて低い項目です。
光化学オキシダントの環境基準達成率は、ほかの大気汚染物質と比べて高いか、低いか。
答え:極めて低い(ほぼ0%・1%未満の年度が続く)
SPM・NO2・COなどが達成率99〜100%であるのに対し、光化学オキシダントは際立って低い項目です。令和5年度 大気概論 問5で問われました。
まとめ
光化学オキシダントは、NOxとVOCが太陽の紫外線を受けて反応してできる酸化性物質(主にオゾン)です。
夏の日中に増えて光化学スモッグの原因となり、環境基準は長く昼間の1時間値0.06ppm以下(令和8年1月にオゾンとして8時間値0.07ppm以下へ改定)でしたが、達成率は極めて低い項目です。
直接排出ではなく二次生成であること、達成率が際立って低いことを押さえておきましょう。
参考
- 大気の汚染に係る環境基準について(光化学オキシダント/環境省告示。従来=昼間の1時間値0.06ppm以下、令和8年1月改定=オゾンとして8時間値0.07ppm以下・日最高8時間値の1年平均0.04ppm以下)
- 環境省「大気汚染状況について」(光化学オキシダントの達成状況)
- 一般社団法人 産業環境管理協会 公害防止管理者等国家試験 出題範囲・公式正答
※ この記事の確認日:2026年6月
まちがえやすいポイント
環境基準の達成状況が狙われます。
光化学オキシダントの環境基準達成率は、すべての年度で1%未満と極めて低い点が、令和5年度 大気概論 問5で正しい記述として出題されました。