令和6年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問8を解説|等速吸引と試料採取
令和6年度 ばいじん・一般粉じん特論 問8は、ダスト試料採取時の吸引速度に関する正誤問題です。等速吸引からずれたときの測定値の偏りや採取装置の種類といった記述のうち、誤っているものを選びます。
この問題のポイント
排ガス中のダスト濃度を正しく測るには、ノズルへ吸い込む速さを流れの速さにそろえる「等速吸引」が基本です。吸引が遅すぎると、ガスはノズルの手前で外へよけますが、重い(大きい)粒子は慣性でまっすぐノズルに入り込むため、実際より濃く測れてしまいます。分かれ目は吸引速度が遅いときに測定値がどちらへずれるかで、遅い=過大(真の濃度より大きい)という向きです。これを逆に読ませる引っかけがあります。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(2)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 等速吸引からずれたときの測定値の偏りは、慣性の強い大きな粒子ほど大きくなります。正しい記述です。 |
| (2) | ×(誤り) | 向きが逆です。吸引速度が等速より小さいと、重い粒子が慣性でノズルに入り込み、濃度測定値は真の濃度より大きくなります。「小さくなる」は誤りです。 |
| (3) | ○(正しい) | 等速吸引でも、ノズルが流れに正対していないと粒子を取りこぼし、測定値は真の濃度より小さくなります。正しい記述です。 |
| (4) | ○(正しい) | 等速吸引の方法には、普通形試料採取装置を用いる方法と、平衡形試料採取装置を用いる方法があります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 等速吸引に設定できない場合に、デービスの式で測定値を補正することは、JIS では認められていません。正しい記述です。 |
選択肢(2)のポイント(ここが誤り)
吸引速度が等速吸引速度より小さいと、ノズルに入り切れないガスはノズルの手前で外側へ回り込みます。軽い粒子はガスと一緒に外へよけますが、重い(大きい)粒子は慣性でまっすぐ進もうとするため、よけたガスの分まで巻き込むようにノズルへ入り込みます。その結果、採取したガス量あたりの粒子が実際より多くなり、濃度測定値は真の濃度より大きくなります。したがって選択肢(2)の「小さくなる」は偏りの向きを逆に書いた誤りです。逆に吸引が速すぎると、重い粒子がノズルを素通りして測定値は小さくなります。
覚え方
- 吸引が遅い→測定値は過大(真の濃度より大きい)。速い→過小。
- 偏りは慣性の強い大きな粒子ほど大きい。ノズルは流れに正対させる。
- 等速にできないとき、デービスの式による補正は JIS では認められていない。
理解度チェック
吸引速度が等速吸引速度より小さいと、測定値は真の濃度よりどうなる?
大きく(過大に)なります。重い粒子が慣性でノズルに入り込むため、採取ガスあたりの粒子が実際より多くなるからです。
等速吸引からのずれによる測定値の偏りは、どんな粒子で大きい?
粒子径の大きな(重い)ダストです。慣性が強く、ガスの流れから外れやすいためです。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和6年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月