令和5年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問5を解説|サイクロンの性能
令和5年度 ばいじん・一般粉じん特論 問5は、サイクロン(遠心力集じん装置)の性能に関する記述のうち、誤っているものを選ぶ問題です。入口ガス速度・外筒半径・大きさと圧力損失・ダスト濃度・閉塞位置といった特徴が問われます。
この問題のポイント
サイクロンは、旋回流の遠心力で粒子を壁へ飛ばして分ける装置です。入口ガス速度が大きいほど、また外筒半径が小さいほど遠心力が強まり、分離限界粒子径は小さく(=性能は良く)なります。引っかけの核心は、幾何学的に相似なサイクロンを同じ入口ガス速度で比べたときの圧力損失で、大きさが違っても圧力損失(速度水頭の倍数)はほぼ変わらない、という点にあります。性能(分離限界粒子径)の話と圧力損失の話を混同させる作りです。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(3)(誤っている記述)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ○(正しい) | 入口ガス速度が大きいほど遠心力が強まり、分離限界粒子径は小さく(性能は良く)なります。正しい記述です。 |
| (2) | ○(正しい) | 外筒半径が小さいほど旋回半径が小さく遠心力が強まるため、分離限界粒子径は小さくなります。正しい記述です。 |
| (3) | ×(誤り) | 相似形で入口ガス速度が同じなら、圧力損失(速度水頭の倍数)は大きさによらずほぼ同じです。「小さいほど大きくなる」は誤りです。 |
| (4) | ○(正しい) | ダスト濃度が増加すると旋回流が抑えられ、圧力損失は減少する傾向があります。正しい記述です。 |
| (5) | ○(正しい) | 閉塞は、ダストがたまりやすい円錐部下部のダスト排出口付近や円筒内壁で生じやすくなります。正しい記述です。 |
選択肢(3)のポイント(ここが誤り)
サイクロンの圧力損失は「入口速度による速度水頭 × 形状で決まる係数」で表され、幾何学的に相似な形なら係数は同じです。したがって同じ入口ガス速度で相似なサイクロンを比べると、大小にかかわらず圧力損失はほぼ同じになります。選択肢(3)の「小さいサイクロンの方が圧力損失が大きくなる」は、大きさが圧力損失を左右するかのように書いた誤りです。小さいサイクロンが有利になるのは分離限界粒子径(=性能)の方であって、圧力損失とは別の話だと切り分けます。
覚え方
- サイクロン:入口速度大・外筒半径小 → 分離限界粒子径は小さく(性能↑)。
- 相似形・同一入口速度なら、圧力損失は大きさによらずほぼ一定。
- ダスト濃度↑ → 圧力損失↓(旋回流が抑えられる)。閉塞は円錐部下部・円筒内壁。
理解度チェック
幾何学的に相似なサイクロンを同じ入口ガス速度で比べると、圧力損失は大きさでどう変わる?
大きさによらずほぼ同じです。圧力損失は速度水頭に形状で決まる係数を掛けた値で、相似形なら係数が同じためです。
入口ガス速度を大きくすると、サイクロンの分離限界粒子径はどうなる?
小さくなります。遠心力が強まるため、より細かい粒子まで壁へ飛ばして分けられるようになります。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月