1. HOME
  2. 過去問解説
  3. ばいじん・一般粉じん特論
  4. 令和5年
  5. > 問4 重力沈降室の分離限界粒子径

令和5年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問4を解説|重力沈降室の分離限界粒子径

令和5年度 ばいじん・一般粉じん特論 問4は、重力沈降室の100%分離限界粒子径を表す式に出てくる記号の説明について、誤っているものを選ぶ問題です。粘度・高さ・速度・密度・長さといった各記号が何を指すかが問われます。

この問題のポイント

重力沈降室は、ガスをゆっくり通す間に粒子を重力で床へ沈めて捕らえる装置です。100%分離限界粒子径の式には、ガスの粘度μ、沈降室の高さH、水平方向のガス速度u、粒子の密度ρp、そして装置の長さLが入ります。引っかけの核心は最後のLで、これは粒子が沈みきるまで流れていくための装置の長さ(流れ方向の距離)であって、入口の幅ではありません。記号どうしの取り違えを見抜けるかが分かれ目です。

※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。

正解:選択肢(5)(誤っている記述)

各選択肢の正誤

選択肢正誤解説
(1)○(正しい)μは式の分子にあるガスの粘度で、沈降速度を左右します。正しい記述です。
(2)○(正しい)Hは沈降室の高さで、粒子が床まで落ちきる距離を表します。正しい記述です。
(3)○(正しい)uは気流の水平方向速度で、粒子が装置内に滞在する時間を決めます。正しい記述です。
(4)○(正しい)ρpは粒子の密度で、重力による沈降速度を左右します。正しい記述です。
(5)×(誤り)Lは装置の長さ(流れ方向の距離)です。「入口幅」は別の寸法を当てはめた誤りです。

選択肢(5)のポイント(ここが誤り)

重力沈降室では、粒子が入口から出口へ流れる間に床まで沈めば捕集できます。捕れるかどうかは「粒子が沈むのにかかる時間」と「装置内に滞在する時間」の勝負で、滞在時間は装置の長さLを水平速度uで割った値で決まります。したがって式のLは流れ方向の装置の長さであり、選択肢(5)の「装置の入口幅」は長さと幅を取り違えた誤りです。Lが長いほど滞在時間が延び、より小さな粒子まで沈めきれる(分離限界粒子径が小さくなる)向きも合わせて押さえておきます。

覚え方

  • 重力沈降室の式のLは「装置の長さ(流れ方向)」。入口幅ではない。
  • 捕集は「沈む時間 < 滞在時間」で成立。滞在時間=長さL÷水平速度u。
  • 長く・低く・遅く流すほど、小さな粒子まで沈められる(分離限界粒子径↓)。

理解度チェック

Q.

重力沈降室の分離限界粒子径の式に出てくるLは何を表す?

装置の長さ(流れ方向の距離)です。入口幅ではありません。長さが長いほど滞在時間が延び、小さな粒子まで沈められます。

Q.

重力沈降室で小さな粒子まで捕らえるには、ガスの流し方をどうする?

ゆっくり流します。水平速度を遅くすると滞在時間が延び、粒子が床まで沈む時間を確保できるため、より小さな粒子まで捕集できます。

この問題に関連する用語解説

令和5年 ばいじん・一般粉じん特論 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般社団法人 産業環境管理協会「令和5年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF