令和2年度 公害防止管理者 ばいじん・一般粉じん特論 問5を解説|バグフィルターのろ布材
令和2年度 ばいじん・一般粉じん特論 問5は、バグフィルターのろ布材の耐薬品性に関する問題です。5つの繊維材料のうち、耐酸性がなく、耐アルカリ性を持つものを選びます。
この問題のポイント
バグフィルターのろ布は、処理する排ガスに含まれる酸やアルカリ、温度に耐えられる材料を選ぶ必要があります。材料ごとに「酸に強いか」「アルカリに強いか」「熱に強いか」の得意・不得意が決まっていて、その組合せで使い分けます。この問題の分かれ目は酸に弱く・アルカリに強いという組合せに当てはまる材料を1つに絞れるかどうかで、代表例はナイロン(ポリアミド)です。
※ 問題文そのものは、産業環境管理協会が公開している公式サイトで確認できます。
正解:選択肢(5)
各選択肢の正誤
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| (1) | ×(該当せず) | ポリイミドは耐熱性の高さが持ち味の材料で、酸に弱く・アルカリに強いという組合せの代表ではありません。条件に当てはまりません。 |
| (2) | ×(該当せず) | ガラス繊維は耐熱性が高く酸にも強い一方、アルカリに弱い側です。「耐酸性がない」という条件に反します。 |
| (3) | ×(該当せず) | パイレン(ポリプロピレン系)は酸にもアルカリにも比較的強い材料で、「耐酸性がない」という条件に当てはまりません。 |
| (4) | ×(該当せず) | アクリルは酸に強い側の材料で、条件の「耐酸性がない」に反します。 |
| (5) | ○(該当する) | ナイロン(ポリアミド)は酸に侵されやすく、アルカリには強い性質です。「耐酸性がなく、耐アルカリ性を持つ」に当てはまります。 |
選択肢(5)のポイント(ここが答え)
ナイロンはポリアミドとも呼ばれ、分子の中のアミド結合が酸によって切られやすいため、酸性の強い排ガスでは劣化してしまいます。一方でアルカリには比較的強く、アルカリ性の環境では長く使えます。したがって「酸に弱く・アルカリに強い」という条件に当てはまるのはナイロンです。他の材料は、ガラス繊維やアクリルのようにむしろ酸に強いもの、パイレンのように酸にもアルカリにも強いもの、ポリイミドのように耐熱性を売りにするものが多く、この組合せには合いません。「ナイロンは酸に弱くアルカリに強い」と1点で覚えておくと絞り込めます。
覚え方
- ナイロン=酸に弱く・アルカリに強い。アミド結合が酸で切れる。
- ガラス繊維は耐熱性が高く酸に強いがアルカリに弱い(ナイロンとは逆)。
- ろ布は「酸・アルカリ・熱」の得意不得意で使い分ける。
理解度チェック
ナイロン(ポリアミド)が酸に弱いのはなぜ?
分子中のアミド結合が酸で切られやすいからです。そのため酸性の強い排ガスでは劣化しやすく、アルカリ性の環境向きです。
ガラス繊維とナイロンで、酸に強いのはどちら?
ガラス繊維です。ガラス繊維は酸に強くアルカリに弱い側で、酸に弱くアルカリに強いナイロンとは逆の性質を持ちます。
この問題に関連する用語解説
出典
- 一般社団法人 産業環境管理協会「令和2年度 公害防止管理者等国家試験 ばいじん・一般粉じん特論 問題・正解」(公式PDF)
※ この記事の確認日:2026年7月